日本映画祭が開幕 国際交流基金 高良健吾さん「イに縁感じる」

 国際交流基金アジアセンターが主催する「日本映画祭(JFF)」が2日、中央ジャカルタ区のモール、グランドインドネシア内CGVシネマズで開幕した。7日まで。開幕式のため初来イした俳優の高良健吾さん(29)は「とても縁を感じている国。現地の人に親切にしてもらい大好きになった。映画というジャンルで日イをつなぐことができて光栄」と語った。

 高良さんは開幕式で「(主演した)『横道世之介』(2013年)でインドネシアに来ることができとてもうれしい。自分の役者人生を変えた作品」とあいさつ。同作上映前にはシアター内のファンから温かい声援が送られた。
 「横道世之介」は1987年が舞台。高校卒業後、長崎から上京して大学生活を始めた主人公の横道世之介と彼が関わった人たちの心に残った世之介の「普通さ」を、暖かな笑いと回想と共に描く群像劇。高良さんは同作で2014年のブルーリボン賞(主催・東京映画記者会)主演男優賞を受賞した。
 高良さんは「自分が何者でもないと思う瞬間は誰にでもあるが、誰かの心の中でふとした時に自分がよみがえる。そういうことがこの映画から伝わるもの。時代背景は今のジャカルタに近いので、伝わるものがある」と同作を紹介。「(劇中に)『世之介に出会えたことで自分の人生が少し得したような気分になる』というセリフがさらっと出てくるが、とても大きなセリフ。それが人の心の中に響くのだと思う」と話した。
 日本映画祭は昨年初開催。ことしは作品数を20作品に増やし、開催地はバリ州とジョクジャカルタ特別州に南スラウェシ州マカッサル市を加えた計4都市となった。
 開幕式には石井正文在インドネシア日本大使やJFFアンバサダーの人気女優チェルシー・イスランさん、CGVシネマズの幹部らも出席した。(中島昭浩、写真も)

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