ビジネス環境72位へ イは前年比19位上昇 18年版世銀ランキング
世界銀行は10月31日、世界190カ国・地域のビジネスのしやすさを順位付けした2018年度版ビジネス環境ランキングを発表し、インドネシアは72位と前年の91位から順位を19上げた。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は40位の目標を掲げ、許認可手続き簡素化など環境改善をあらためて閣僚に命じた。
同ランキングは、世銀が190カ国・地域を対象に民間企業の事業のしやすさを指数化し、順位付けしたもの。調査対象は10項目で、起業、建設許可取得、電力供給、登記、資金調達、投資家保護、納税、越境貿易、契約履行、破綻処理を分析した。
インドネシアは16年が106位、17年は91位に上昇し3桁を切り、ことし初めて順位を19上げて72位に上昇した。
項目別では、「起業のしやすさ」144位(昨年151位)、「建設許可取得」108位(同151位)、「電力供給」38位(同49位)、「登記」106位(同118位)、「資金調達」55位(同62位)、「投資家保護」43位(同70位)、「契約履行」145位(同166位)、「破綻処理」38位(同76位)と8項目で順位を上げた。起業では、許可取得にかかる日数が2004年の181日から22日に短縮された。
一方、「納税」114位(同104位)、「越境貿易」112位(同108位)の2項目では順位を落とした。
世銀のランキングを受け、ジョコウィ大統領は1日、中小企業から大事業まで許認可手続きを簡素化し、起業や事業拡大を容易にできるよう閣僚にビジネス環境改善を命じた。9月には環境改善に関する大統領令を発令している。
スリ・ムルヤニ財務相は、東南アジアでタイに次ぐ2番目の上昇幅となったことについて、「政府が投資環境改善に真剣に取り組んできたことの成果を示すもの」と説明。「雇用創出や歳入増加、包括的な経済成長の後押しに向け、民間企業の役割が重要だ」と強調した。
ランキングの1位はニュージーランドで、「起業のしやすさ」「登記」「資金調達」の3項目でトップだった。2位はシンガポール、3位はデンマークで前年と変わらず、韓国4位、香港5位、台湾15位、日本34位、中国は78位だった。
東南アジアではマレーシアが24位、タイ26位、ベトナム68位。インドネシアと同様、前年と比べてタイは20、ベトナムは14と大幅に順位を上げた。(配島克彦、リンダ・シラエン)