電子決済スタート 全国の高速道路 1台4秒で料金所通過
国営高速道路管理ジャサマルガが運営する全国の高速道路料金所で31日、電子決済が義務化された。電子マネーカードを利用し、車両1台4秒で決済を完了させることで料金所の渋滞緩和を目指す。
ジャサマルガによると、1台当たり電子カードのタッピングに2秒、出入りに2秒の計4秒を見込む。現金支払いでは8〜10秒かかり、半分以下の時間に短縮できるとしている。
ジャサマルガのラディ・ルクマン・オペレーション担当副社長は、電子マネーカード読み取り機の設置が全料金所で完了し、「これまで現金支払いのために1日80億ルピアを用意していたが、今後必要なくなる」と話した。
公共事業・国民住宅省の高速道路調整機関(BPJT)は、高速道路利用者の電子マネーカード利用率が94%に達したと発表したが、首都圏外では86%、ジャワ島外は73%とばらつきがある。このため、現金払いと電子決済ができる「ハイブリッド料金所」を用意。首都圏内では料金所143カ所のうち137カ所に設置した。
しかし現金チャージができず、西ジャカルタ区スリピなど一部の料金所で支払い待ちの渋滞が発生。高速管理各社は「事前にチャージしてほしい」と呼びかけ、警視庁は「現金払い待ちの車列はまだ長く、渋滞に影響がある」と電子決済が浸透するまで運転手の案内を続ける方針を示している。
料金所で使える電子マネーカードは、ヌガラ・インドネシア銀(BNI)▽タブンガン・ヌガラ銀(BTN)▽マンディリ銀▽ラクヤット・インドネシア銀(BRI)▽セントラル・アジア銀(BCA)——の5行のロゴが入ったカード。12月中にメガ銀、ノブ銀、DKI銀も加わる。
BPJTによると、料金所にデビットカード用のカードチャージ機847台をすでに設置し、さらに484台増やす予定。現金によるチャージ機は用意しない。
料金所での電子決済義務化は公共事業・国民住宅大臣令(2017年16号)に基づく。14年に中銀が経済調整省、財務省などと覚書を結び提唱したキャッシュレス運動の一環で、19年に全国の電子決済サービス普及率を75%まで高める目標を掲げている。(中島昭浩)