ガス配給事業に出資 東京ガス・政策投資銀 需要拡大見据え
東京ガスは17日、子会社の東京ガスアジア(本社・シンガポール)と日本政策投資銀行(DBJ)が設立した合弁企業を通じ、民間ガス事業最大手ルクン・ラハルジャからガス配給子会社パンジ・ラヤ・アラミンドの株式33%を取得したと発表した。取得額は約42億円。東南アジアで、東京ガスとDBJが合弁でインドネシアの企業に出資するのは初めて。
経済成長を支える目的で、政府が推進する3万5千メガワットの電力開発計画にはガスの安定供給が前提としてある。自動車や化学製品などの各種産業や、商業向けの需要も拡大が予想される。
東京ガスが日本国内で培ったガス配給事業のノウハウや人材を活用し、パンジ社は事業を拡大する。
エネルギー鉱物資源省によると、パンジ社は国内のガス大口需要家の顧客層拡大を狙っており、「提携後の事業の行方は未知数だが、投資家がエネルギー投資への魅力を感じる新しいビジネスをしてくれるだろう」(同省幹部)と期待する声もある。
東京ガスの海外におけるガス配給事業会社への出資は、1992年のマレーシア、ことし7月のベトナムに続く3例目。
同社は5日に発表した2018〜20年度の中期経営計画で、3年間の海外向け投融資額を2600億円と設定。連結純利益に占める海外事業の比率は2割まで引き上げる。東南アジアを液化天然ガス(LNG)事業の最重要拠点と位置づけておりバリューチェーンに投資、フィリピンやベトナムではLNG基地を建設する調査も行っている。
地場企業との連携により、インドネシアでも事業展開が今後より進むことが期待される。(平野慧)