大賞にトウ製の椅子 トレードエキスポ開幕 初のグッドデザイン賞
製品輸出促進を目的とした国内最大規模の見本市、トレード・エキスポ・インドネシア(TEI)が11日、バンテン州南タンゲラン市のインドネシア・コンベンション・エキシビジョン(ICE)で開幕した。主催の商業省と日本デザイン振興会(JDP)などが連携して初開催したデザイン賞「グッドデザイン・インドネシア(GDI)」(協力・日本貿易振興会=ジェトロ)の受賞製品が展示され、大賞にはトウ製の椅子が選ばれた。
TEIはことしで32回目。700社以上が出展。15日までの会期中、日本を含む14カ国・地域のバイヤーミッションが国内企業と33件の覚書を結ぶ予定で、成約額は約2億2420万ドル(2兆9900億ルピア)。全体では9億7476万ドルに落ち込んだ昨年を上回る11億ドルを見込む。
開幕式に出席したジョコウィ大統領は、品質と物流の向上▽アフリカ、欧州、中東、南アジア、米国に非伝統製品を浸透させる▽店舗のオンライン化推進——の「三つの努力」を掲げ、国内製品の輸出と国外からの投資額増加を図る方針を示した。
ジョコウィ大統領は、GDIブースを視察。大賞を受賞したトウ製椅子「ルキスチェア」のデザイナー、アディ・アブディラさん(31)によると、大統領はこの椅子に腰掛け「良品質の製品だ」と感心したという。
2003年からデザイン向上に向けた取り組みをインドネシアと続けてきたJDPの大井篤理事長は「竹繊維を使った製品など新しい観点がある。これを機に互いにデザインを学び合う環境を作り、関係を向上させていきたい」と喜びを語った。
JDPは11日、商業省とデザインプロモーションに関する覚書を結び、日本のグッドデザイン賞とGDI間で審査員を相互派遣することなどを含めた覚書を結んだ。15日にはGDI受賞製品の授賞式が開かれる。(中島昭浩)