違法薬物の一掃を キャンペーン開始宣言 大統領
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は3日、東ジャカルタで行われた違法薬物撲滅イベントで、覚せい剤などの一掃キャンペーン開始を宣言し、関係政府機関や地方自治体に連携、協力を強めるよう命じた。地元メディアが報じた。
ジョコウィ氏は演説で「摘発される違法薬物事件は氷山の一角。事件の背後には、大きな組織が隠れている」と指摘し、密売人・組織の摘発や密輸ルートの取り締まりに厳しい姿勢で臨む考えを強調した。
さらに、9月に起きた東南スラウェシ州クンダリ市で小中学生らが急性薬物中毒の症状を訴えた事件に触れながら、若い世代が薬物の危険にさらされていることを指摘した。
イベント中には、保健省や医薬品食品管理庁(BPOM)、医薬品会社、医薬品業界団体、警察など11機関・団体の連携強化に関する合意書の締結を見守った。
国内では、ことしに入ってから、バンテン州アニェル海岸で覚せい剤1トンが押収されるなど違法薬物関連の事件が相次いでいる。
隣国フィリピンでは、2016年6月に発足したドゥテルテ政権が違法薬物撲滅に取り組んでおり、国家麻薬委員会(BNN)のブディ・ワセソ委員長は7月中旬、「密売組織がフィリピンからインドネシアに流入している」との見方を示して対策強化の必要性を訴えた。(上村夏美)