日本の水道技術移転 浜松市上下水道部 バンドン市を支援
西ジャワ州バンドン市で、浜松市上下水道部が水道の漏水防止技術支援を進めている。7月には同部職員と浜松市の地元企業関係者がバンドン市を訪問し、水道管や漏水の状況を視察・調査した。
調査は、バンドン市水道公社(PDAM)などと協力しながら、同市メロンアシ第8地区と、スカサリ地区にある高級住宅街パラヒヤンガン・ルマ・フィラ(PRV)で行われた。
浜松市上下水道部水道工事課によると、漏水の原因は、水道管結合部分の締め付けが不十分なことや、石などによる水道管破損。石は掘削部分の埋め戻しに使われた土砂に混入するという。バンドン市(人口248万人)の上水道普及率は69%で、漏水は1日平均20カ所で発生している。
盗水も多く、水道メーターの前後にバイパス管を取り付けて水を盗んでいるという。給水量と水道料金として収入のあった水量との比率を示す有収率は68%で、浜松市の94%強を大幅に下回る。
その他の上水道の課題、問題点としては、24時間給水が未実現▽老朽管の更新事業が停滞▽漏水修繕・給水工事共に改善が必要――なども明らかになった。
漏水問題や課題に取り組むため、浜松市上下水道部は今後も職員をバンドン市へ派遣し、技術指導、給水工事に関する調査などを進める。メロンアシ第8地区をパイロット地区とし、次回は9月に職員を派遣する予定。また10月には、バンドン市PDAMの職員を受け入れ、浜松市で研修などを実施する。
これら一連の事業はバンドン、浜松両市が2016年に締結した覚書に基づき、19年7月まで約2年間実施される。バンドン市の環境衛生分野における人材育成に役立てるため、政府開発援助(ODA)の一環として国際協力機構(JICA)の草の根技術協力も活用する。
浜松市では16年、途上国での技術支援や地元企業の海外展開支援を官民で進めるため、同市上下水道部と企業が技術的な意見交換をする「水と暮らしを豊かにする浜松技術プラットフォーム(HARP)」を設置している。(毛利春香)