アニス、小池両氏が対談 10月の知事就任にらみ訪日 首都の問題解決で協力

 アニス・バスウェダン次期ジャカルタ特別州知事が30日まで5日間にわたり日本を訪問、姉妹都市である東京都の小池百合子知事と会談し、都市の過密化をはじめとして両首都が共通に抱える問題に連携して取り組む方向を話し合った。都の各種公害防止施設の視察や小学校を見学するなど10月の知事就任後をにらんだ事前準備に力を入れる傍ら、講演会や内外メディアとの記者会見などを通じジャカルタの政治情勢や知事就任後の行政方針も説明した。
 今回の日本訪問は各国から識者を招き講演会などを開催している笹川平和財団が招待した。来日初日の25日は小池知事と会談した。面積や人口規模、都市の広がり、過密な都市構造など首都として多くの共通点を持つジャカルタと東京が、都市問題の解決に向け協力関係を強めることで一致した。 
 また26日の特別講演会には佐藤百合・日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所理事、バンバン・ウジョヤント元汚職撲滅委員会(KPK)副委員長もコメンテーターとして出席した。自らが勝利した先のジャカルタ特別州知事選挙については「バスキ氏(アホック氏)は、イスラム教徒からも支持を得ていたのに(イスラムを冒とくすると受け止められた形で)宗教問題に触れたことで市民の支持を失った」と指摘した。 
 28日の内外記者との会見では、これらジャカルタ特別州を取り巻く政治情勢を踏まえ10月の就任後の州知事としての施政方針について説明。知事選で過熱化した宗教をめぐる市民の対立を解消する努力を進めながら、政治安定の課題である市民間の所得格差の解消と、公害防止を軸とした市民生活の環境改善を2本柱に行政を展開する考えを示した。 
 これに先立ち、27日には2018年にジャカルタで開催されるアジア大会や各種行政課題を念頭に、有明地区の施設整備状況をはじめ、都内の各種インフラストラクチャー施設や地下鉄、水処理施設などを幅広く視察した。
 29日も午前中、渋谷区原宿周辺でごみ拾いボランティア活動を繰り広げているNPO法人グリーンバードの活動を見学すると同時に代表者から活動について説明を受けるなど、「今回の訪日は知事の任務を果たす上で大いに参考になった」と述べた。(小牧利寿、写真も)

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