設立準備委員会が始動 委員長にエプソン阿部氏 東部ジャカルタ日本人学校
東部ジャカルタ日本人学校の設立準備委員会がこのほど正式に発足し、第1回会合を開いた。工業団地が集積する西ジャワ州ブカシ県やカラワン県に住む邦人のための学校設立を望む声は強く、最短で2019年の開校を目指して活動を活発化させる。
設立準備委員会は小・中学部を持つ学校新設を目標に活動する。今後、建設や運営に必要な資金の精査の前提条件になる事項として、年内に校舎建設予定地を仮決定し、運営母体となる法人設立の準備を進める。また、開校前年の5月には文部科学省への申請が必要なため、18年5月の申請を目標に準備を進めていく。
設立準備委員会には、ブカシ、カラワンに進出している企業幹部や地域コミュニティー、チカラン日本人会のメンバーが参画する。
6月にブカシの東ジャカルタ工業団地(EJIP)で開かれた第1回会合では、委員の互選により、エプソンの現地法人インドネシア・エプソン・インダストリー(IEI)の阿部栄一社長が委員長に選ばれた。ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)の野波雅裕相談役、チカラン日本人会の牛尾浩副会長、カラワン工業団地(KIIC)の秋田尚史社長の3人が副委員長に就任した。
インドネシア在住経験が長い東レ・インドネシアの黒田憲一さんらが顧問やアドバイザーとして支える体制で、邦人社会が一致団結していく。ジャカルタ日本人学校(JJS)やJJC運営委員長、事務局もオブサーバーとして参画し、在インドネシア日本大使館とも連携していく。
日本人学校設立をめぐっては、各種調査や資金面、運営母体の検討を目的として、JJCが16年6月に調査ワーキンググループを設置した。ことし3月の理事会で、費用面での精査を含め具体的な準備を進める設立準備委員会の設置を承認、協力することを決めていた。
2度目のインドネシア駐在で、現在はチカランに住む阿部委員長は「最近はジャカルタからブカシ、カラワン方面への通勤に連日、往復5〜6時間かかるため、ジャカルタからチカランに住居を移す人も増えていると聞いている。家族帯同という選択肢を増やすためには学校の設立が急務だ」と話した。
外務省の在留邦人統計によると、ブカシ県の在留邦人数(在留届ベース)は2015年10月時点で1184人。前年比26.6%増となっており、11年の523人から4年で倍増。インドネシア全体の邦人数が1万9312人だった16年も増加傾向には変わりないとみられる。(平野慧)