マセラ開発が始動 INPEX 調査本格化目指す
国際石油開発帝石(INPEX)はこのほど、東南アジア最大級のガス田・アラフラ海マセラ鉱区アバディ液化天然ガス(LNG)開発で、プレ・フィード(プラントの基本設計業務の予備段階)を開始した。天然ガスの販売先の市場調査なども同時に進め、年内に入札実施、事業本格化を目指す。
INPEXは当初は洋上にプラントを浮かべる方式で申請していたが、政府は陸上建設に変更。条件面の交渉も続き、開発は停滞していた。1年3カ月ぶりに動き出す。
焦点となっている権益の延長期間を10年にするのか、7年にするのかについては議論が続いており、プラントの容量や探査時にかかったコストの負担についても今後詰める必要がある。
政府はマセラ開発を国家戦略事業に指定し、進展を促している。
同鉱区はINPEXが65%、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが35%の権益を持つ。
INPEXは1日、西パプア州ビントゥニ・タングーで進めるLNG生産プロジェクトに対し、三菱商事など他の出資企業と共に増資する方針を示している。同事業では設備を増設し、LNG生産能力を年間760万トンから1.5倍の1140万トンまで引き上げる。
国際協力銀行(JBIC)が2016年に12億ドルの融資を表明している。生産されたLNGの大半は国営電力PLNに、残りが関西電力へ供給される。(平野慧)