トランプ氏と初会談 G20で大統領 経済協力とテロ対策

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は8日、ドイツのハンブルクで7、8日の両日に開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議の会期中、トランプ米大統領と初めて会談し、2国間貿易を拡大し経済協力を進めることで一致した。イスラム過激派によるテロ対策についても米国に協力を求めた。また同日に開かれたアフリカ諸国に関するG20の会議での演説では、アフリカとG20各国間での対等なパートナーシップの発展を支援すると述べた。
 大統領府によると、ジョコウィ大統領はトランプ大統領との会談で、過激派組織イスラミック・ステート(IS)信奉者によって占拠されたフィリピン南部ミンダナオ島マラウィ市の例を挙げ、「ISの活動を弱めるためには、シリアやイラクだけでなく、東南アジアを含む他国でも注意を払わなければならない」と説明。情報共有や過激派組織への資金流出の阻止、地域開発、穏健な思想を拡散していくことなど、テロ対策を2国間で協力して実施することを求めた。 
 また経済分野では、米国へのパームオイルを原料とするバイオディーゼルの輸出拡大や、米国からの大豆輸入などについて触れ、今後も互いに有益となる2国間貿易を拡大していく方針で一致した。 
 ジョコウィ大統領は「ビジネス界の元大物であるトランプ氏に会いたがっているインドネシアの何百万人ものファンに、良いニュースを持って帰らないと問題になる」と話しつつ「大統領は個人的に、いつインドネシアに来てくれますか」と質問。トランプ大統領はこれに対し「(インドネシアは)行きたいと思っている場所なので、今後、訪問する」と応じた。 
 ジョコウィ大統領は7日、テロについての会議で公演し「テロの脅威と戦うため団結しなければならない」と強調。続いて8日に開かれた「アフリカとの協力活動、移住、医療」の会議でも演説した。 
 1955年に開かれたアジア・アフリカ会議(AA会議)や2005年に採択されたアジア・アフリカ戦略的パートナーシップ(NAASP)宣言などを例に挙げ、以前からアフリカ諸国の発展や平和構築のため、政治や経済、文化などの分野で協力するなど力を入れてきたとアピール。「持続的な発展のためには、アフリカを傷つけることなく一緒に協力していくべきだ」と述べた。 
 ジョコウィ大統領は、オーストラリア、オランダ、ノルウェー、ベトナム、スペインともそれぞれ2国間の首脳会談を実施。一方、8日に予定されていた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との会談は、G20開催に反対する抗議デモの影響で移動の安全が確保できず、治安上の問題で中止となった。 
 ジョコウィ大統領は5日間の外遊を終え、9日午後4時半、東ジャカルタのハリム空港に到着した。(毛利春香)

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