「インドネシアの人気実感」 企業関係者ら350人参加 東京で投資セミナー
日本からのインドネシア投資ブームが高まる中、四輪・二輪を中心とした裾野産業をテーマに、国際機関日本アセアンセンター、投資調整庁(BKPM)、在日インドネシア大使館は二十日、「インドネシア投資セミナー」を東京都港区のザ・プリンスパークタワー東京ホテルで開いた。インドネシアへのビジネス展開を検討している企業関係者三百五十人が参加した。
開会にあたり、アセアンセンターの大西克邦事務総長は「(二百人の)定員を超える応募があり、インドネシア投資の人気を実感した。セミナーを通じて日イの親交が深まることを願う」とあいさつ。インドネシア大使館のアルディ・ヘルマワン公使は「世界四位の人口、十七位のGDP(国内総生産)、約三・八%の低いインフレ率、債務はGDP比二六%を記録するなど、健全なバランスシートを持っている」とインドネシア投資の安全性を訴えた。
基調講演を行ったBKPMのヒマワン・ハリヨガ投資促進担当次官は、二〇一一年の国別直接投資金額で日本が二位になったことに謝意を表明。「豊富な天然資源に付加価値を付ける加工処理の分野で高い技術力を持つ日本企業の投資を求める」と呼び掛け、タックスホリデー(税一時免税措置)など税控除政策の内容を紹介した。
続いて講演した在日インドネシア大使館のイグナティウス・ワルシト工業担当官は、四輪・二輪とも予想を上回る勢いで生産台数が伸びていることを紹介し、「二〇一五年に四輪は約百二十五万台、二輪は約千二百万台。二〇二〇年には四輪は約二百万台、二輪は約千五百万台まで生産数が伸びる。今から投資をしても利益が見込める」との見通しを示し、「特に低価格のエコカーの分野で日本の投資を期待したい」と話した。
インドネシア大蔵省税務総局のメカル・サトリア・ウタマ人材開発・管理担当調査官はインドネシアの税制度について日本との違いを説明した上で、さまざまな税控除政策を紹介。「所得税率を引き下げ、付加価値税は上げる可能性がある。移転価格税制に関しては現在協議中だ」と今後の政策について言及した。
セミナー後、参加者からは「現地法人設立にどれくらい時間がかかるのか」、「まだジャカルタ近郊には有望な工場用地が残っているか」、「幹部候補の人材の数は足りているのか」などの質問が挙がった。そのほか、「スマートシティ事業を行いたい」「現地でパチンコ台の解体工場の建設を検討している」「インドネシア企業に日本での上場を提案したい」など、多様なアイデアを持つ参加者であふれていた。