最高裁が上告棄却 コーヒー毒殺事件 ジェシカ被告、禁錮20年確定

 2016年1月のコーヒー毒殺事件で計画殺人罪に問われたジェシカ・クマラ・ウォンソ被告(28)の上告審で、最高裁判所は21日、禁錮20年の下級審判決を支持し上告を棄却、刑が確定した。
 最高裁報道官は22日、アルティジョ・アルコトサル裁判長は一審(昨年10月)の判決理由を支持し、被告側の主張を裏付ける証拠はないと判断したと明らかにした。 
 弁護団長のオットー弁護士によると、ジェシカ被告は失望し、非常に落ち込んでいるという。オットー氏は「ジェシカが無実だと信じている」と話し、今後は無罪を証明する新たな証拠を準備し、再審を請求するとの構えを示した。 
 ジェシカ被告は昨年1月6日、中央ジャカルタの高級ショッピングモール「グランド・インドネシア」1階にあるカフェ「オリビエ」で、友人のワヤン・ミルナ・サリヒンさん=当時(27)=が訪れる前に予約しておいたテーブルに1人で着き、アイス・ベトナムコーヒーを注文。支払いを済ませた後、猛毒のシアン化ナトリウムを入れ、毒入りコーヒーをミルナさんに飲ませ、殺害した。 
 弁護団はこれまでの公判で、店内の監視カメラ(CCTV)の映像に被告が毒を入れたことを示す記録はなく、目撃者もいないことなどから、犯行を裏付ける証拠はないと主張。被告の手元を隠すように紙袋を置いた映像や、ミルナさんの来店前に被告がコーヒーを注文し、支払いを済ませた点などを根拠に、計画的な犯行とした裁判官の判断に異議を唱えてきた。 
 高級モールのカフェで、富裕層の友人同士の女性2人の間に何が起きたのか、真相をめぐる議論が噴出し、昨年6〜10月の4カ月にわたる一審は国民的な関心を集めた。 
 公判では、オーストラリア滞在時の被告の交際関係に絡み、2人の間に生じた怨恨(えんこん)が背景にあるとの指摘も出たが、被告は「ミルナさんとは親しい友人だった」と殺意を否定。犯行動機や詳しい死因など依然不明な点が多い。(毛利春香、写真も)

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