語り継がれる60周年に 来年に向け始動 官民一体 オールジャパン会議 日イ国交樹立記念
インドネシア各地にある日本の在外公館や日本人会の代表らが集まり、日イ間の課題や今後を話し合う第9回オールジャパン協力会議が12日、在インドネシア日本大使館であった。来年、日イの国交樹立60周年を迎えるにあたり、官民一体となり、地方都市でも記念事業を展開していく方針を確認。「数年たっても語り継がれるような、忘れられないものにしよう」との考えを共有した。
会議には各在外公館や12地域の日本人会、9政府機関の代表らが参加。国交樹立60周年の記念事業に向けたアイデアを出し合った。
「語り継がれる」記念事業の一つとして、桜の木を植えるというアイデアが持ち上がり、多くの参加者が賛同した。桜には気候を問わずに咲く品種もあり、実現性を検討する。
また、ジャカルタだけでなく、地方を巻き込んで60周年を盛り上げることで一致した。京都府とジョクジャカルタ特別州、高知市と東ジャワ州スラバヤ市など、両国間の姉妹都市ネットワークも生かす方針だ。
既存の日イ交流イベントも活用する方向。例えば首都圏では、ジャカルタ日本祭り(JJM)や縁日祭、さくら祭りなど、大規模なものがある。地方でも、盆踊り大会や各大学で開催される日本フェスティバルがあり、これらを60周年事業と連動させることも考える。
一連の記念事業は、日イが平和条約を締結した1月20日ごろから展開していきたい考えで、準備を進める。進捗(しんちょく)は地方によってばらつきがあるが、ジャカルタでは石井正文駐インドネシア大使を委員長とし、官民で構成する運営委員会が始動、5月末にファンドレイジングチームも発足した。今後は資金集めも課題になってくる。
両国が国交樹立50周年を迎えた2008年には、秋篠宮ご夫妻がインドネシアを訪問された。インドネシアで人気のドラえもんも親善大使として来イ。両国での記念切手発行など、一年を通じ、各地で記念事業を展開した。同会議は08年、官民一体で日イ関係を議論しようと、当時の塩尻孝二郎大使の音頭で始まった。(木村綾、写真も)