7年連続増で過去最多 在留邦人 4.6%増の1万9312人 進出企業数は域内首位 2年ぶり増でタイ抜く
日本の外務省は31日、2016年10月現在の海外在留邦人数統計を発表した。インドネシアの在留邦人数は前年比4.6%増の1万9312人。10年以来、7年連続で前年を上回り、過去最多を更新した。2年ぶりに増加に転じた日系企業の拠点数は前年比6.7%増の1810で、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内の首位をタイから奪還した。
インドネシア国内5カ所にある在外公館管轄地域別の在留邦人数は、在インドネシア大使館管内のジャカルタ特別州など11州が前年比5.8%増の1万4957人。
残り4公館は、在スラバヤ総領事館の東ジャワなど4州が同5.2%増の867人、在マカッサル領事事務所の北スラウェシなど10州が同18.1%減の167人、在デンパサール総領事館のバリなど3州が同2.4%増の3050人、在メダン総領事館の北スマトラなど6州が同16.1%減の271人。
在留邦人全体の94%は長期滞在者(3カ月以上滞在)が占め、前年比4.7%増の1万8167人。残りは永住者で、同3.5%増の1145人だった。全体の男女別は、男性1万2456人、女性6856人で、男性が65%を占めた。
2年ぶりに増加した進出日系企業(拠点数)の業種別内訳は、製造業が938で全体の52%を占め、卸売・小売業212、建設業112も多かった。
在外公館管轄地域別の企業数は、新規進出が相次ぐブカシ県などを管轄する在インドネシア大使館管内が前年比8.6%増の1550と大きく伸びた。対照的に、在スラバヤ総領事館は同2.4%減の161、在デンパサール総領事館は同4.3%減の45、在メダン各総領事館は同9.1%減の40と、いずれも前年を下回った。在マカッサル領事事務所は前年と同数の14。
インドネシアの在留邦人、進出企業拠点数とも前年を上回ったことについて、同大使館の又平広領事部長は「18年、日本とインドネシア国交樹立60周年を控え、2国間関係の発展と深化を示しているとすれば、大変に喜ばしい」と話している。
一方、世界全体の在留邦人は約133万8千人で前年を1.6%上回った。上位3カ国は米国、中国、オーストラリアで、インドネシアは14位だった。
上位20位以内に入った他のASEAN域内国は、タイが7万337人で4位、シンガポールが3万7504人で11位、マレーシアが2万3693人で12位、フィリピンが1万6977人で16位、ベトナムが1万6145人で17位だった。大きく伸びたのはベトナムで前年比9.9%増。逆にフィリピンは前年を0.3%下回った。
一方、日系企業の海外進出拠点総数は前年比1.0%増の7万1820で、3万2313の中国が全体の45%を占めた。2〜5位は米国8422、インド4590、ドイツ1811、インドネシア1810。
6〜9位は、1783のタイ、1687のベトナム、1440のフィリピン、1362のマレーシアとASEAN勢が続いた。シンガポールは1141で11位だった。インドネシア、タイ、ベトナム、シンガポールの4カ国は前年を上回ったが、フィリピンは2年連続減、マレーシアも減少に転じた。(酒井善彦)