【縁日際特集】8年目の挑戦へ 七転び八起きの縁日祭 13、14両日、ブロックMで
民間有志による草の根文化交流イベント「リトル東京ブロックM縁日祭」(主催・ブロックMエステート、後援・在インドネシア日本大使館、日本貿易振興機構=ジェトロ、日本政府観光局=JNTOほか、メーンスポンサー・Jトラスト)が13、14両日、南ジャカルタ・ブロックMで開幕する。8回目のことしのテーマは「挑戦―七転び八起き」。来場者数のギネス記録挑戦など、新たなチャレンジを試みながら、日本とインドネシア文化交流を促進し、最高の笑顔で会場を満たす。
縁日祭実行委員会の竹谷大世実行委員長は2010年の初開催当時、地元から反対の声があったと話す。「一部のルコ(店舗付き住居)の持ち主からはうちの前ではブースを出さないでくれと言われた」と振り返る。
今では南ジャカルタ区公認行事となり、「いつもの祭りかと快く受け入れてくれている」と縁日祭の定着を実感する。多くの来場者でにぎわい、ごみ拾いや分別などの取り組みが、18年のアジア大会に向けたブロックM周辺の歩道整備や美化を目指す行政施策のきっかけにもなっているという。
それもそのはず、15、16年の来場者は主催者発表でいずれも2日間で25万人を超え、民間主催の日本の祭りイベントとしては世界最大規模。ことしは来場者の集計を外部に委託し、正式な数を把握し、ギネス記録に挑戦する予定。
竹谷委員長は、縁日祭の1週間前は準備などで1日中時間を取られ、嫌になるような出来事もたくさんあると漏らす。しかし「本番で笑顔や楽しんでいる来場者の顔に出会うことが原動力になっている」と話す。
16年10月に東京渋谷区の代々木公園で開かれた「日本インドネシア市民友好フェスティバル2016」。一般客として訪れた竹谷委員長は会場内でごみ分別を呼びかけていたブースに注目し、ことしの縁日祭に取り入れた。前回に引き続き包装資材製造販売の福助工業(本社・愛媛)の現法フクスケ・コウギョウから提供を受けて、可燃と不燃、プラスチック、缶に分けたごみ箱を会場内に設置。ごみの仕分けを啓発するブースを設け、おそうじボランティア212人と共に美化活動を展開する。
また、寄付金の受け皿となる縁日祭芸術文化財団を立ち上げ、運営基盤の安定化も図った。16年に寄付者の名前を書いた奉納札をブロックMの店先にかける試みを始めた。ことしは元駐在員や運営者仲間など100人以上から寄付があり、過去最高額が集まったため、飲食店「キラキラ銀座」の店前などのスペースでは足りず、他の飲食店にも協力を求めた。同年に新設したミニステージの広さを約3倍(24平方メートル)に拡大し、出演者数も増加した。
竹谷委員長は「七転び八起きにかけて、ことしのロゴはだるま。困難もあるし、いろいろな人の思いがあって、大変だがやらなければならないのが縁日祭。止めるのは簡単だが続けていくことが挑戦」と意気込みを語った。(中島昭浩、写真も)