リッポー・グループ チカランにニュータウン 20年計画、278兆ルピア投資
大手財閥リッポー・グループは4日、中央ジャカルタのアルヤドゥタホテルで、西ジャワ州チカランで総投資額278兆ルピアの大規模なニュータウン「メイカルタ」の開発に着手すると発表した。
リッポーは今後15〜20年以内にジャボデタベック(首都圏)近郊の人口が2千万人規模に増加すると見込む。ジャカルタの過密やそれに伴う渋滞や住居の不足などの問題への解決策として、20年計画のニュータウンで住宅需要を取り込んでいく。
第一段階として3年の期間で、200万人が住むための40万の住居の建築を推進するなどと発表した。5月中にチカランのオレンジカウンティにあるオフィスで住宅販売イベントを始める予定だ。
長期的には40兆ルピアを投資して国際空港を、23兆ルピアでモノレールを建設する目標を掲げる。ホテルやアパートメント、複数のショッピングモール開発を進める。3校の国立大学や国立図書館の誘致を目標にするなど、研究学園都市構想としての側面もある。
リッポーのジェームズ・リアディ最高経営責任者(CEO)は「リッポーの67年の歴史の中で最も大きな投資」と意気込みを話す。中国の経済特区で、1980年以降急速に発展、製造工場が数多く存在し「中国のシリコンバレー」と呼ばれる深圳になぞらえ「インドネシアの深圳になることを望む。この地で自動車や電子部品などの製造がより活況になってほしい」と語った。
資金面は自己資金や借り入れのほか国内外から、投資を募る。
日系大手商社幹部は「東南アジア全域を見ても、規模感は最大級で事業に参加する日系企業は多いと思う。ただ、不動産事業には不安要素もあるので、慎重に進めていくべきなのでは」と話した。(平野慧)