物流改善へ運河拡張 プリオク港〜チカラン FS調査が完了

 政府は、北ジャカルタのタンジュンプリオク港と西ジャワ州チカランの工場集積地を結ぶ新たな物流経路を作るため、運河の拡張工事を計画している。事業可能性調査(FS)がこのほど完了した。高速道路、鉄道に続いて水路を整備し、物流改善につなげたい考えだ。

 水路は全長25キロで、ブカシ県の内陸コンテナ取扱施設「チカラン・ドライポート」と同港を結ぶ計画。コンテナを積んだ大型船が通れるよう、既存の運河を拡張し、橋をかさ上げする。チカランの工業団地周辺に、160万TEU(20フィートコンテナ換算)を収容可能な、52ヘクタールの内陸の港も建設。内陸港はチリンチン〜チビトゥン間を走る高速道路とも接続する構想だ。
 地元メディアによれば、国営港湾第2ペリンドはFS調査やアムダル(環境影響評価)を終え、運河を活用する許可も取得した。
 4月27日には、ブディ・カルヤ・スマディ運輸相やバスキ・ハディムルヨノ公共事業・国民住宅相が運河を視察。ブディ運輸相は「今は輸送手段が高速道路と鉄道に限られている。(水路は)費用効率が高い選択肢になる」と期待を示した。高速道の渋滞改善にもつながるとして、第2ペリンドに対し速やかに工事をするよう求めた。第2ペリンドは昨年、同事業に4兆ルピアを充てる方針を明らかにしている。
 チカラン方面とを結ぶ既存の物流経路には、チカンペック高速道と、昨年6月に運行開始したコンテナ運搬用の港湾鉄道がある。
 第2ペリンドによると、国内最大のタンジュンプリオク港に来るコンテナの35%は、ブカシやカラワン、プルワカルタ、スメダンなど西ジャワ州の工業団地に送られる。そのため、高速道路の渋滞や貨物の滞留が問題になってきた。
 バスキ公共事業・国民住宅相は日刊紙コンパスの取材に、「運輸省の計算では、タンジュンプリオク港〜チカランまでトラックで11時間半〜12時間。(水路を使えば)6時間になる」と説明し、運河の活用に積極的な姿勢を見せている。(木村綾)

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