【千葉から発信 イスラム文化(1)】ムスリムの姿伝えよう 千葉に文化センター開設へ
千葉市に7月、礼拝・集会所機能を備える県内初のイスラム文化センターがオープンする。インドネシアのクラウドファンディングサイトなどで資金を集め、入居するビル1棟を丸ごと購入。ムスリム本来の姿を伝えるため、拠点を構えてイメージの改善を図る。センター新設までの道のりを追った。
センターの名前は「千葉イスラーム文化センター(CICC)」。運営する同名の特定非営利活動(NPO)法人(前身・千葉大学イスラーム文化交流会)は、2011年の設立後、千葉でイスラム諸国の文化交流と友好促進事業で活動してきた。
CICC前理事長で、センター新設計画の中核を担ったアジザン・ビン・ムハマドさん(27)=マレーシア・クチン出身=は、ことし千葉大を卒業した元留学生。1994年ごろから「金曜礼拝を一緒にしたいと声が上がり、大学構内の一角で礼拝を始めた」と話す。
同大には、最も多いインドネシアのほか、エジプトやウズベキスタンなど約10カ国からのムスリム留学生約100人が通う。
しかし、キャンパス内では人数に見合う礼拝場所確保に苦慮。大学付近で部屋を借り、集団礼拝場としたが、部屋の広さは十分とは言えず、契約更新の難しさも重なり、引っ越しを繰り返すこと3回。2014年末、空室があった西千葉駅近くのビルにたどり着いた。
この時すでに、集団礼拝場には留学生だけでなく仕事で滞在する人や日本人と結婚したムスリムが通っていた。レバラン(断食月開け大祭)やイドゥル・アドハ(犠牲祭)には200人超が訪れていたという。
「以前入居を断られたこともあった。きちんと賃貸契約を更新してくれるのか。転居を繰り返すことに不安があった」と、国内ムスリムに内在する不安を吐露するアジザンさん。結局、16年2月、留学生の間での話し合いの末にビルの購入を決めた。(中島昭浩、写真も)(つづく)