契約解除の訴訟回避を 債権回収には代替手段 エーオン主催セミナー
英系保険エーオン・インドネシアはこのほど、南ジャカルタのフィナンシャル・クラブでセミナーを開催し、TMI総合法律事務所の藏田知彦弁護士が「債権回収・担保に関する法制度とその実務」のテーマで講演した。
インドネシアにおける契約の締結について、藏田氏は「(民法が)フランス民法を基礎としている点で、基本的な考え方が日本と共通している」と指摘。日本で作った契約書の内容をそれほど変更せず使えることを説明した。
法制度上日本と異なる点として、契約解除に訴訟を必要とする点があることを挙げ、解除が難しくなることを防ぐため、あらかじめ契約時にこの条項を排除する必要性を強調した。
次に、契約締結後に取引先が債務不履行に陥った場合の対処法について解説。「通説や判例を基準にした法解釈についての判断基準が確立されていない」ことから、判決の予想可能性が低いことを自身の経験を元に説明し、訴訟を用いない方がよいとアドバイスした。債権回収のための代替手段として担保権を実行したり、債務承認証書を作成したりするなどの方法を話した。
後半はエーオンのシンガポール拠点の土岐謙太郎氏が取引信用保険の活用メリットや保険各社の概説について解説した。
エーオンではジャパンデスク「チーム・ジャパン」を中心に、120社の日系企業にサービスを提供、各種セミナーを開いている。(平野慧、写真も)