トヨタ新社長にイ人 ワリ副社長 現地人採用、アジア地域で初 豊田章男社長ら大統領と会談
トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インドネシア(TMMIN)は13日、野波雅裕社長の後任に、4月1日付けでワリ・アンダン・チャフヨノ副社長が就任することを発表した。日本を除くアジア地域の製造事業体で、トヨタ初の現地人社長の誕生となる。
13日午前9時半、トヨタ自動車の豊田章男社長は、早川茂専務、福井弘之常務、ワリ氏と共に、中央ジャカルタのイスタナ(大統領宮殿)でジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領と会談した。
約30分の会談の中で、豊田社長はジョコウィ大統領に対し、トヨタはインドネシアの雇用や輸出、人材開発など自動車産業の発展へ継続的に貢献していく方針を表明。大統領は「トヨタに限らず日本の産業界にさらなる投資をしてもらうため、政府が支援していきたい」と話した。その後、豊田社長がTMMINの新社長としてワリ氏を大統領に紹介した。
1日の社長就任にあたり、ワリ氏は「責任ある役職に選ばれたことは非常に光栄だ」と述べ、「トヨタのアジア太平洋地域の生産と輸出の拠点の一つとして、野波社長が築いてきた強固な基盤をもとにインドネシアの自動車産業の発展に貢献していきたい」と語った。また「競争が激化していく自動車市場の中で、自社が直面する課題に覚悟をもって取り組む」と決意を表明した。
2009年12月以降、同社を率いてきた野波社長は、パートナーであるトヨタ・アストラ・モーターや地元のサプライヤー、販売代理店、インドネシア政府やインドネシアの人々に支えられてきたと感謝の意を示し、「今後ワリ氏がインドネシアの自動車産業に新たな価値を提供し、明るい未来へ導いてくれると信じている」と語った。(太田勉、アリョ・テジョ)
ワリ・アンダン・チャフヨノ氏
1963年中部ジャワ州パティ県生まれ。同州スマランのディポヌゴロ大学工学部化学工学科卒。89年トヨタ・インドネシア(現TMMIN)入社。2007年スンタル工場の生産・物流管理部上級部長、09年総務部人事課取締役、11年カラワン工場の生産エンジニアリング部門取締役、14年副社長に就任。