初の首脳会議開催 環インド洋連合 「ジャカルタ協定」採択
インド洋に面した21カ国で構成される環インド洋連合(IORA)初の首脳会議が7日、ジャカルタで行われた。インドネシアは議長国として「ジャカルタ協定」を採択し、海洋分野の安全保障や貿易、投資、観光などで連携を強化することを確認した。
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は7日午前9時ごろ、中央ジャカルタのジャカルタ・コンベンション・センター(JCC)でIORA各国の代表を迎えた。
首脳会議には、オーストラリアのターンブル首相やマレーシアのナジブ首相、南アフリカのズマ大統領らが出席した。
21カ国以外に日本や中国なども「対話パートナー」として参加。日本からは岸信夫外務副大臣が出席した。
首脳会議で締結されたジャカルタ協定では▽海洋警備などの安全保障▽貿易や投資促進▽持続可能な漁業運営▽災害リスクマネジメントの強化▽学術的な分野の協力▽観光、文化の促進――と幅広い分野で連携を強化することを確認。他にテロ対策や女性雇用の促進、汚職の撲滅などでも協力。インド洋で国連海洋法条約を順守することでも合意した。
また2017年から21年までの活動プランを策定。短期、長期の枠組みで項目を設定した。
南アフリカのズマ大統領は6日に行われた初のビジネスサミットに言及し、「経営者同士のつながりができた。今後も継続していきたい」と語った。
インドネシアは2015〜17年までIORAの議長国で、今回の首脳会議を引っ張った。ジョコウィ大統領は演説で「(インド洋は)世界で鍵となる」と強調。連携強化を呼びかけた。
レトノ・マルスディ外相は「先月アフリカを訪問した際、潜在性の高さに感銘を受けた。インドネシアの経済外交にとって(アフリカは)優先順位が高い」と指摘する。
IORA加盟国の人口27億人は世界人口の約3割を占めるが、市場規模は1割と人口の割にまだ小さい。
首脳会議以外に、インドネシアはイランやケニア、アラブ首長国連邦(UAE)と2カ国間協議を進め、関係強化を図った。(佐藤拓也)