バリ舞踊で「悪霊」表現 ダンサーの山下さん 現地の体験を基に創作
関西を中心に活動する振付家でダンサーの山下残(ざん)さん(46)が26日、南ジャカルタ・パサールミングにあるサリハラ・ギャラリーで公演した。上演したのはオリジナル作品の「悪霊への道」。約2年前に現地で調査したバリダンスを取り入れ、バリ島の伝統文化に通ずる「悪霊」を表現した。
山下さんは2015年、作品作りのために初めてバリ島を訪れ、伝統舞踊を6週間かけて現地調査した。伝統文化が色濃く残る同島で、コンテンポラリーダンサーである山下さんは地元の人から「伝統を侵しにきた現代の悪霊だ」と受け止められ、この体験から今回の作品を創作した。日本帰国後も、インターネット電話「スカイプ」などを通じてバリダンスを習い続けたという。
今作の舞台に設置されたスクリーンには、インドネシア人の先生と話す中で知ったバリの伝統や踊りに通じるインドネシア語と英語の文字が映し出される。山下さんは、言葉に合わせながら、バリダンスの動きを取り入れた悪霊を表現する踊りを披露した。
山下さんは、バリ島の文化を「現地の人々にとって、自分たちを守る武器の一つ」と説明。そのバリの人々から「現代の悪霊」と呼ばれた山下さんだが、「バリでは、共存する悪霊と精霊が世界のバランスを取っていると考えられ、同等にお祈りされていることを知った。自分は悪霊として地元のコミュニティーに入り込めるのではないかと考えた」という。
山下さんのインドネシア公演は12年以来、約5年ぶり2回目。今回は、国際交流基金ジャカルタ文化センターと国際交流基金アジアセンターが共催。サリハラ・ギャラリーで開かれた「舞踊におけるオリエンタリズム」アーカイブ展のクロージングとして上演された。
「悪霊への道」はことし2月中旬、舞台芸術関係者が集まる「国際舞台芸術ミーティングin横浜」でも上演された。(毛利春香、写真も)