ワヒディン氏が勝利宣言 統一地方首長選 接戦のバンテン州

 ジャカルタ日本人学校(JJS)のあるジャカルタ近郊のバンテン州で15日、知事選の投開票が行われ、複数の調査機関の速報を受け、前タンゲラン市長のワヒディン・ハリム知事候補(62)=ゴルカル党ら擁立=が勝利宣言した。速報結果で劣勢の現職、ラノ・カルノ氏(56)=闘争民主(PDIP)ら擁立=は総選挙委員会(KPU)の公式結果を待つとした。

 同日午後6時ごろ、ワヒディン氏はタンゲラン市ピナン郡のカンプン(下町)にある同氏自宅で会見を開き、「三つの調査機関の速報で我々が勝利している。応援してくれたバンテン州のすべての人に感謝したい」と述べ、陣営に歓声が上がった。ゴルカル党からは事務局長が勝利宣言に駆けつけワヒディン氏の勝利宣言を祝福、ゴルカル党色を全面に押し出した。
 「(速報で敗戦が濃厚の)ラノ氏が勝つと思っていた」(地元の政治記者)と言わしめるほど接戦だったバンテン州知事選。速報の結果はどれも1〜2%の僅差だった。
 ワヒディン氏は前タンゲラン市長。政界での実績が豊富。一方でワヒディン氏とペアを組む副知事候補のアンディカ・ハズルミ氏(31)は、前バンテン州知事で、汚職を理由に2015年に正式に解任されたラトゥ・アトゥット被告の息子だ。
 ラトゥ被告の父、故ハサン・ソヒブ氏は、スハルト独裁政権当時から翼賛組織だったゴルカルを支え、公共事業の調整役を果たしたバンテンの名士。建設や警備など多様な企業を展開、西ジャワ州からバンテン州を分離させた立役者でもあり、ハサン一族として知られる。
 バンテン州南タンゲランのBSDシティ。イオン・モール周辺の新興住宅地に設置された投票所を訪れたルーキー・フェルディアンドさん(47)は「金権政治は時に政策の遅れにつながる。アンディカ氏にはどうしても汚職のイメージがつきまとう」と速報結果に顔をしかめた。
 勝利宣言を取材していた地元の政治記者は「ワヒディンペアが勝てば、バンテン州でのハサン一族とゴルカル党の影響力が、なお強いことを証明する」と分析した。(佐藤拓也、写真も)

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