観光客誘致の第一歩に 日本観光の宣伝促進 ジャパントラベルセミナー

 日本の自治体の国際化を促進する財団法人自治体国際化協会シンガポール事務所(クレア・シンガポール)は八日、中央ジャカルタのホテル・インターコンチネンタル・ミッドプラザで、日本への観光促進を図る「ジャパントラベルセミナー」を開いた。日本政府観光局(JNTO)シンガポール事務所が協力した。今回のセミナーは、政府が進める訪日旅行促進事業(ビジット・ジャパン事業)で、今年四月にインドネシアが重点国に入る見通しであることに先駆けて実施。インドネシアでは日本観光の周知がまだ浸透していないため、セミナーはシンガポールなどで行われている一般旅行客向けのフェアではなく、第一段階として、日イの観光業関係者間のネットワーク作りを主眼に置いた。日本からは自治体やホテル、テーマパークなどの観光業関係者ら十八社・機関の二十六人が訪イ。日系を含むインドネシアの旅行代理店や両国間をつなぐ航空会社の関係者と今後の連携の可能性を模索した。

 クレア・シンガポールの足達雅英所長によると、外国人観光客に人気の高い、東京―大阪間の観光名所を巡訪する「ゴールデンルート」以外の日本の魅力も知ってもらいたいというのが、今回の目的の一つ。
 近年では北海道観光が、雪が珍しい東南アジア諸国の旅行者を引きつけブームになった。次の観光地の掘り起こしが模索されており、セミナーでは九州、沖縄、静岡、中部(長野、岐阜)の代表者が各地域の観光についてプレゼンテーション。インドネシアの旅行業界関係者に新たな旅先をアピールした。商談会では参加者がインドネシアの業界関係者とのネットワーク作りに励んだ。
 昨年の東日本大震災が外国人観光客誘致に打撃を与え、滞在コスト上昇の要因となる円高も日本への観光客誘致の障害となる中、JNTOシンガポール事務所の加藤英彦次長は、震災から約一年経ち、テレビ報道などを通じて生まれた恐怖のイメージも払底されつつあると指摘する。加藤次長は「インドネシアは重点国入りが見込まれるため、JNTOによる協力が進み、今後自治体による周知・営業活動などが活発になるだろう」との見方を示した。
 旅行代理店ジェイテック(東京都台東区)の石井一夫取締役営業部長は「インドネシアは人口規模が大きく魅力的。訪日外国人観光客の多数派である香港、台湾、韓国は(これ以上の)大幅な伸びを望めない。インドネシアはまだ少ないが、大きな伸びしろがある」とインドネシアの潜在性を指摘する。
 インドネシアの地場系旅行代理店からは好意的な反応が上がった。トラベル・ソリューション社のグスティ・アダムさんは「今まではメールや電話での問い合わせだったが、今日は顔を合わせて、聞きたいことすべてを質問できた」と話す。ハルリ・トラフェリンド社のジュリアンティ・スティアディ取締役は「日本にはたくさん観光地があることが分かった。東京は先進的なイメージと(女性観光客に人気の高い)銀座でのショッピングがあって、抜群の人気があるが、他の地域でもビジネスに発展しそうだ」と話した。

経済 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly