初の専用高架路線 東西9.3キロを30分で結ぶ トランスジャカルタ 6月に開通
州営トランスポルタシ・ジャカルタ(TJ)は、6月22日から初の首都圏専用バス「トランスジャカルタ」の専用高架路線の運行を始める。高架の高さは最大20メートル超。東端のトランスTVビル前(南ジャカルタ区テンデアン)〜西端のブディルフル大学前(同区チレドゥッグ)の全長9.3キロを結ぶ。混雑時に約2時間かかっていた所要時間は、30分に短縮される見込み。
新路線は第13高架路線(コリドル・ラヤン13)。ジャカルタ特別州公共事業局によると、2015年3月の着工から今月9日までに98%が完成した。高架路線は既存の第1、4、6、9、10の5路線に乗り換えられる。今後アクセス用の歩行者通路の建設、高架道路両脇の壁やアスファルト舗装を進める。総建設費2兆4千億ルピアは同州政府が負担。運行開始予定3カ月前から試験運行を開始する。
同路線にはバス100台を投入し、1日4万人の利用を見込む。高架のため渋滞に巻き込まれる心配はなく、TJのブディ・カリウォノ社長は「チレドゥッグの住民は30分でテンデアンまで到達できる」と強調した。
停留所は高架9カ所と地上3カ所の計12カ所。ブディ社長は9日、高架停留所のCSWとフェルバック、パサール・クバヨランラマ、JORRの4カ所にエレベーター、チプリルとCSW、ティルタヤサの3カ所にエスカレーターを設置すると発表した。
■120段の階段
CSW停留所は、南ジャカルタ区シシンガマンガラジャ通りとトゥルノジョヨ通りの交差点の上に作られる。11日現在、同停留所までのアクセス手段は地上からの階段だけ。計120段の階段は、年配者や子連れの家族、障害者に優しいとは言えない。高架路線西端のブディルフル大学前は高架道路の建設が続く。
同大4年のアブドゥル・ラフマンさん(21)は階段を見上げ「建設作業で下の道はガタガタになり、車線も減り混雑している。エスカレーターは必ず作るべき」。同大では隣接するバンテン州からオートバイで通う学生が約8割で、同州まで結ぶバス路線ができない限りバスに乗り換える人は少ないという。警備員のムルジョノさん(41)は「州が道路を拡幅してくれると混雑も解消するのに」とぼやいた。(中島昭浩、写真も)