「イスラムの概念実践」 日本の規律を体感  プサントレン教師が報告会

 在インドネシア大使館は四日、中央ジャカルタのホテル・プルマン・ジャカルタで、日本政府が行っているイスラム寄宿学校(プサントレン)の教師招へい事業で先月二十四日から四日まで日本を訪れていた教師代表団の報告会を行った。
 代表団は訪問期間中、日本の教育現場を視察したほか、二月三日の節分や茶道など、伝統文化を体験。イスラムへの造詣が深い仏教界指導者である東大寺の森本公誠長老との対話や広島での一般家庭へのホームステイも行い、日本の知識人の考え方や日常生活に触れた。
 中部ジャワ州ラセムのプサントレン出身のザイム・アフマッドさんは「中東などよく外国を訪問しているが、日本は最も印象的な国だった」と述懐。「クラクションを鳴らしてほかの車を追い越すことをせず、深夜でまったく交通量がなくても、赤信号ではきちっと止まっていた」との体験から、「イスラムでも基本的な概念だが、必ずしも実践されていない」という他者への尊重や規律の精神を感じ取ったと述べ、「日本は明治維新から軍備や産業を急速に成長させたが、伝統文化も保ってきたようだ」と振り返った。
 日本政府は二〇〇四年から毎年、プサントレンの教師を日本に招へいしており、今回で八回目。計九十四人がこのプログラムで日本を訪れている。
 国立イスラム大内に設置されているイスラム社会研究所(PPIM)が候補者の選定など日本政府との橋渡し役を務めており、PPIMはインドネシアでのイスラム社会での対日理解の促進と日本でのインドネシアのイスラム理解の促進の功績で、昨年、外務大臣表彰を受賞している。
 プサントレンは穏健派の国内最大のイスラム団体、ナフダトゥール・ウラマ(NU)や二番目に大きなムハマディアなどが全国の農村を中心に運営。
 礼拝の場や社会福祉の提供など地域コミュニティーの中心として機能しており、草の根レベルでの影響力が大きいことから日本政府はプサントレンとの協力強化を重視している。

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