立ち退き住民が勝訴 州命令の違法性認定 行政裁判決

 南ジャカルタ区ブキット・ドゥリのチリウン川沿いの住宅撤去をめぐり、住民が自治体の立ち退き命令撤回などを求めた訴訟で、ジャカルタ行政裁判所はこのほど、立ち退き命令の違法性を認定、住民側勝訴の判決を言い渡した。自治体側は控訴する見通し。 
                          
 住民側代理人によると、係争対象になったのは、ジャカルタ特別州政府が2016年9〜10月に出した立ち退き命令3件。
 5日の行政裁判決は、州政府側が命令の法的根拠とした知事令について、「15年10月時点で無効になった」とする住民側主張を認めた上で、命令撤回を州政府に命じた。
 敗訴判決を受け、特別州のスマルソノ知事代行は9日、「判決文のコピーをまだ受け取っていない。もし敗訴であれば、控訴する」と述べた。
 特別州政府は洪水対策のため、14年以降、ブキット・ドゥリの住宅を次々と強制撤去。撤去現場では、警備隊と反対住民が衝突する事態に発展した。今回の判決で住民側代理人は「州政府は住民に対し、補償金を適正に支払う義務がある」と話している。(木村綾)

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