イ人留学生、7位に上昇 震災後も微減にとどまる 工学3割強、大学院7割 JASSOの在籍調査
日本学生支援機構(JASSO)はこのほど、毎年実施している「外国人留学生在籍状況調査」の結果を公表した。二〇一一年五月時点で在籍する外国人が東日本大震災の影響で前年比二・六%減となる中、インドネシア人留学生は同一・三%減にとどまり、出身国別では七年連続八位から一つ順位を上げ、七位となった。(岡坂泰寛)
直近三年間では、二〇〇八年が前年比一二・二%増、二〇〇九年が同一一・四%増、二〇一〇年が同九・七%増と、平均二桁増の伸びを記録していた。減少は七年ぶり。平成に入った一九八九年以降、出身国別での最高順位は五位。
全体の外国人留学生は十三万八千七十五人。首位の中国は前年比一・六%増の八万七千五百三十三人となり、構成比を前年比二・六ポイント増の六三・四%に上げた。二位以下は、韓国、台湾、ベトナム、マレーシア、タイと続き、七位のインドネシアは二千百六十二人で構成比を前年比〇・一ポイント上げて一・六%とした。
アジアが占める割合は前年比一・一ポイント増の九三・五%。
■神戸大7位に、九大は2割増
大学別では、首位から六位までに順位の変動はなく、神戸大学が九位から七位に上昇。前年十五位の国際大学と同十六位の立命館大学がそれぞれ順位を四つあげた。首位は立命館アジア太平洋大学(百五十七人)で、二位の九州大学(百五人)は留学生数が約二割増加した。以下は、東京工業大学(八十三人)、大阪大学(八十二人)、広島大学(七十四人)、東京大学(五十六人)と続いた。上位二十校のうち、私立が四校、国立が十六校だった。
調査では、在籍段階別にも集計。大学院が千四百七十一人で最も多く、学部(四百九十三人)、専修(百二十二人)、高専(五十九人)と続いた。先行区分別では、工学が全体の約三分の一を占め、七百四十一人で前年に引き続き首位。二位以下は、社会科学(四百六十八人)、人文科学(二百八人)、農学(百七十四人)、保健(百七十一人)と続く。
■東京都が首位、2位は大分県
都道府県別では、東京が前年比七十六人減の五百十二人でトップ。大分が同二十三人減の百八十五人と続き、福岡、京都、大阪の順。地方別では、関東が全体の約三割を占める七百十三人で首位となり、九州が四百五十人、近畿が三百四十七人、中部が三百三十五人と続いた。
◇外国人留学生在籍状況調査
留学生政策の基礎資料を得ることを目的とし、JASSOが毎年行っている。この調査における「留学生」とは、留学ビザにより日本の大学(大学院含む)、短大、高専、専修のほか、大学に入学するための準備教育課程を設置する教育施設に在籍する外国人の学生を指す。