Cチャンネルがイ進出 女性向け動画を配信 料理・ヘア・メーク・恋愛 LINE前社長森川亮氏に聞く
LINE前社長の森川亮氏(49)が立ち上げた女性向け動画配信サービス「C Channel(Cチャンネル)」がインドネシアで事業を開始した。料理やメークの方法を紹介する「ハウツー動画」でアジアナンバーワンを目指す。森川氏とインドネシア事業責任者の笹川大和氏(メディア・マクムル社長、27)に展望を聞いた。
CチャンネルはLINEの社長を退任した森川氏が「アジアでナンバーワンの女性向け動画メディア」を目指して2015年4月に立ち上げた。インドネシアで美容メディア運営などを手掛けるメディア・マクムルと組み、このほどインドネシア進出を決めた。
Cチャンネルは20〜34歳の女性に焦点を当て、料理やヘア、メーク、恋愛などをテーマにしたスマートフォン向けの動画を無料で配信している。
韓国や中国、台湾など海外展開を進め、タイでは海外で最多の月間2500万回が再生された。
インドネシアでは、11月からフェイスブック上で動画配信を始め、1300万回再生された。16年末から17年初にかけて、フィリピン、ベトナム、シンガポール、マレーシアにも新たに進出する。
海外で最も見られているのが料理動画で、インドネシアでも再生回数の4〜5割を占める。森川氏は「年齢に関係なくターゲットが広いし、和食という切り口もアジアで受け入れられている」と分析する。
日本のCチャンネルは順調な伸びを見せ、動画再生回数はことし8月、2億5千万回を記録した。一方で、化粧品会社などから広告収入を得るが、まだ赤字の状態。収益を増やそうと、動画からオンライン通販サイトへと誘導するEコマース(電子商取引)事業を始めた。ドラマなどの有料コンテンツも増やしていく方針で、海外でもニーズがあれば取り入れたいという。
笹川氏は「インドネシアにLINEが入ってきてから、スタンプへの課金も増えている。Eコマース市場も拡大しているので、それと比例して(課金消費は)今後さらに伸びていくのでは」と話す。
■「来年までに1億再生」
Cチャンネルの動画は自社スタジオで制作されるほか、クリッパーと呼ばれるモデルやタレントが撮影している。
15年の開始当初には、インドネシア人女優・モデルのジル・グラディスさんをクリッパーに起用。ジルさんはこれまでに、メーク法やジャカルタのカフェを紹介する動画など約30本を配信した。
海外向け動画は現在、約9割を日本で制作し、翻訳したものだが、今後は、現地でクリッパーをスカウトして増やすと共に、各国で動画を制作していく。ムスリム向けの料理やファッション動画も手掛けるという。
森川氏は「独自にコンテンツを作っている国はまだまだ少ない。そこがすごくチャンスかなと思う」と話す。インドネシアでは、17年1月にもウェブサイトとアプリをリリースしたいとし、「17年末までに1億回再生」の目標を掲げる。Cチャンネルを「次世代のテレビ」という笹川氏は「先行メリットを生かして早めに仕掛けていければ」と語った。(木村綾、写真も)