俳優・野村周平さん来イ 国際交流基金 日本映画祭が開幕 「日本をもっと好きになって」
国際交流基金が初めてインドネシアで独自に主催する日本映画祭(JFF)が25日、開幕した。オープ二ングセレモニーには上映14作品の一つ「ちはやふる」に出演した俳優・野村周平さん(23)が登場。子どもの頃のバリ旅行以来の来イという野村さんは、映画を通し「日本をもっと好きになってほしい」と期待を寄せた。
オールバックに固めた艶のある黒髪に、黒いスーツとちょうネクタイ姿できめた野村さん。話し出すとキラキラと目を輝かせ、やんちゃな表情を見せる。
仕事柄、撮影で海外に行くことも多く、空港へ着くと「いち早く外の空気を吸いたい。チリではスタッフのスーツケースが出てくるまでに3時間かかったこともある。スーツケースを持つのは嫌」。今回も下着と靴下、Tシャツと軽装備だ。お土産用のスペース確保にもなるという。
来イは小さい頃に家族旅行でバリに来て以来。「チャッ、チャッ、チャッというケチャダンス」を覚えているという。ジャカルタは初めてで、「日本は冬。飛行機の中でインドネシアの気温がアナウンスされ、驚いた」。到着した印象は「暑かった」。
野村さんにとって「ちはやふる」は、思い入れの強い作品。「(自分を含め)初めて若い出演者みんなで作り上げた大作。競技かるたのシーンや最新技術を使ったCGが見どころ」と語る。周囲からは同作出演以降、演技が良くなったと言われるという。「今後はどう継続していくか。飽きられてはいけない仕事。頑張っていきたい、調子に乗らず。調子に乗れる時は乗った方がいいですけどね」と笑った。
日本映画祭は、中央ジャカルタのモール、fXスディルマン7階のシネマックスで、27日まで。28日〜12月3日に開催される「ジョクジャ―ネットパック・アジアン・フィルム・フェスティバル(JAFF)」に、日本映画祭の上映14作品のうち6作品が上映される。
セレモニーには、「ちはやふる」の監督・小泉徳宏さん(36)らも登壇。小泉さんは「意図せずに作ったが、新旧の文化が表現され、日本文化を議論するのにもってこいの作品になった。海外の多くの人に見てもらう機会を設けてもらい夢のよう」。国際交流基金ジャカルタ日本文化センターの塚本倫久所長は「野村さんはインドネシアに元気を持ってきてくれた。映画を通じ、映画人だけでなく、多くの人に新しい何かを見つけてもらいたい」と話した。(中島昭浩、写真も)