日イ結ぶもみじ祭り 地域の開発計画に連動 不動産開発ジャバベカ ダルモノ社長に聞く
日本とインドネシアの交流を深める「もみじ祭り」が29、30の両日、西ジャワ州ブカシ県チカランで開かれる。運営に携わり、会場となるハリウッド・ジャンクションの開発を手掛ける不動産開発ジャバベカのステジャ・シダルタ・ダルモノ社長(35)に、祭りへの思いや開発構想について聞いた。
――もみじ祭りの展望は。
ダルモノ社長 昨年初開催して、日イの多くの人に来てもらい、大成功を収めることができた。チカランの住民は日本文化に触れる機会を求めている。ことしの入場者数は2日間で8万人を目指す。今後当社のロードマップに沿い、もみじ祭りを続け、ほかにも日イを結ぶようなイベントをやりたい。
――祭りの位置づけは。
我が社では3〜5年スパンの計画を立てて、チカラン地域の開発を進める。日本のモールやプラザ・インドネシアも建設する。会場のハリウッド・ジャンクションの開発は計画の出発点。そういう意味で、もみじ祭りは開発に連動してこれからもっと大きな規模になっていくだろう。
――チカラン地域開発への思いは。
誰がそんなところに投資するだろうか、と皆が思うような全く何もない場所に、パイオニアとして都市を造るのがジャバベカだ。われわれには、インドネシア全土に100のニュータウンを作るという構想がある。チカラン地域は100都市の中で最も完成された最初のモデルケースになる。交通の便や医療、商業などの施設に恵まれた、ジャカルタやシンガポールに負けない都市にする。そのコピーをほかの99都市に広げていく。
――高齢者住宅事業の現状は。
日系企業との合弁で経営している介護付き高齢者住宅「シニア・リビング・ダ・カヤンガ」は、日本人からの問い合わせが急激に増えている。多くのインドネシア人にとって、父母を老人ホームに入れることは一種のタブーで、このインドネシア文化に対する挑戦的な構想と位置づけている。一方で、多くのインドネシア人は日本を模倣したい、学びたいと考えている。シニアリビングで快適に余生を過ごしている日本人がいることは、インドネシア人を呼び込むことにもつながるだろう。
――日本人観は。
日本人は手続きがシステマティックで、約束を守る。事業への熱意を持ち続け、信用できる。インドネシア人の足りない部分であり、学ぶことができる。欠点は意志決定が遅いことだ。ある日本企業はホテルを建てるという結論に至るまで、会議だけで6カ月以上を要し、計1年以上かかった。これでは中国、韓国の企業に遅れを取る。多くのインドネシア人は日本人と一緒に仕事をしたいと考えており、課題を克服すれば負けないだろう。(平野慧、写真も)