熊本復興を支援 県人会 イベントに400人集う
熊本ジャカルタ県人会は2日、中央ジャカルタのインターコンチネンタルホテルのボールルームで、熊本震災復興を目的とするチャリティーイベント(主催・熊本ジャカルタ県人会、協賛・TKUテレビ熊本)を開いた。来場者約400人が会場を埋め、谷崎泰明駐インドネシア日本大使も駆けつけた。
集まった寄付金約7千万ルピアはNPO(非営利団体)「熊本インドネシア友好協会」を通じ、全額が熊本城復興に役立てられる。
イベントは午後4時から約2時間続いた。インドネシア人学生による日本語ミュージカル劇団「en塾(エンジュク)」、混声合唱団「サザンクロス」と女声合唱団「コールムティアラ」、インドネシア人エイサー団体「うーまく・エイサー」が公演、完成度の高い演技、演奏を披露し、会場を盛り上げた。最後は熊本出身の放送作家小山薫堂さん作詞、嵐の「ふるさと」を会場に集まった全員がそれぞれの思いを胸に合唱し、幕を閉じた。
団員35人が参加しミュージカルやダンス、日本を応援するオリジナルソング「桜よ」の合唱など多彩な演目をこなしたen塾にとって、熊本は日本で初めて公演したゆかりの地。照明などを担当し、毎年の日本公演に尽力する秋元国俊さんは「団員たちも何とかして力になりたいと考えている。風化させない努力を続けていきたい」と語った。
en塾とコラボして力強い舞踊、太鼓の演奏を披露したうーまく・エイサーのフェニタ・ニナンダ(39)さんは「インドネシア人にとっても熊本の震災は他人事ではなく、とても心配している。少しでも力になれれば」と話した。
サザンクロスの指揮者川西一男(63)さんは「東日本大震災の際も、他の団体と力を合わせてチャリティーイベントを開催した経験がある。今回も有志が集まって演奏することができて良かった」と振り返った。
イベントを主催した熊本ジャカルタ県人会の洋子スリアワン副会長は、出演者や来場者に感謝の意を表した上で「熊本で震災があったという事実がすでに忘れ去られようとしている。今こそ自分たちが出来ること、県民のシンボルであるお城の復興のお手伝いをしたい」とあいさつした。
同会は11月6日、チャリティーコンサートを開くなど、熊本復興に向けて努力を続けていく。(平野慧、写真も)