司法解剖は遺体の一部 コーヒー毒殺事件 法医学専門家が証言
中央ジャカルタのカフェで1月6日、ワヤン・ミルナ・サリヒンさん(当時27)が死亡したコーヒー毒殺事件で、殺人罪で起訴されたジェシカ・クマラ・ウォンソ被告(27)の第16回公判が31日、中央ジャカルタ地裁で開かれた。中央ジャカルタ区スネンにあるチプト・マングンクスモ病院の法医学専門家のブディ・サンプルナさんが証人として召喚された。
ブディさんによると、ミルナさんの両親が当初、司法解剖を拒否したこともあり、解剖されたのは遺体の一部だった。また解剖時は死亡からすでに4日経っており、ホルマリンを使用して保存されていた。解剖の対象となった心臓、胆のう、血液などにはホルマリンが含まれ、死因のシアン化ナトリウムは見つからなかった。ホルマリンの影響がなかった胃からは0・2ミリグラムのシアン化ナトリウムが見つかった。
ブディさんは体内から見つかったシアン化ナトリウムが致死量より少ないことについて「体内に入ったシアン化ナトリウムは血液に吸収されたり青酸ガスとなって体内から蒸発したりするため、体内に残る量は自然に減少する」と説明。「解剖しなくてもコーヒーを飲んだ直後に気を失い、泡を吹くなどミルナさんの様子を見れば毒物を飲んだことは明らかだ」と話した。
29日に開かれた第15回公判では、ミルナさんが運ばれた中央ジャカルタ区メンテンにあるアブディ・ワルヨ病院のプリマ・ユドホ医師とアルディヤント医師が証人として召喚され、ミルナさんは病院に搬送されたときには、既に亡くなっていたと証言している。
公判は1日も開かれる。検察官によると、判決が言い渡されるのは10月下旬になりそうだという。(毛利春香、写真も)