トバ湖 アクセス改善 滑走路・高速道 整備計画 急ピッチ

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は20、21の両日、北スマトラ州トバ湖周辺を視察した。観光開発指定地域としてインフラ整備を促進するなか、シランギット空港の滑走路拡張や同州メダン〜トバ湖を結ぶ高速道路の建設、湖岸に新しい名所となる公園などを整備し、世界最大のカルデラ湖として知られるトバ湖を風光明媚(めいび)な国際的な観光地にする方針を表明した。

 トバ湖は政府が観光開発を優先的に進める10地域の一つに指定されている。ジョコウィ大統領はことし6月、全国で初めて特定の観光地を管理する大統領直属機関として「トバ湖観光地域運営庁」を設置、湖畔に事務所を構えた。
 ジョコウィ大統領は20日、トバ湖南郊の同州北タパヌリ県にあるシランギット空港や、国内外の観光客が集まる湖畔のパラパットなどを視察した。大統領は3月に同空港などを視察したばかりで、5カ月間の進ちょくを確認した。
 ターミナルビルの改修を終えたシランギット空港では3月、国営ガルーダ航空がスカルノハッタ空港からの直行便が就航。さらにスリウィジャヤ・エアが4月に乗り入れ、ライオン・エアの子会社ウィングス・エアもメダン便を就航させたばかり。
 大統領は「ガルーダ航空には1日1便から3便に増便するよう要請する」と述べ、シランギット空港では年間収容可能人数18万人の収容力を最大限に生かすよう求めた。
 シランギット空港の滑走路は現在、幅30メートル、長さ2400メートル。ボーイング737―800型機などの大型の旅客機が乗り入れできるよう幅45メートル、長さ2650メートルに滑走路を延長する。
 また、パラパット近郊のアジバタにあるシビサ空港の滑走路も延長する。幅23メートル、長さ750メートルの滑走路を、長さ2250メートルまで延ばす予定。

■環状道路や橋を建設
 アクセスの改善はトバ湖観光開発の主要課題となっている。現在、メダンからは陸路で4〜5時間。このため、メダン〜トゥビン・ティンギ間を結ぶ高速道路の建設を進めているほか、トゥビン・ティンギ〜プマタンシアンタル〜トバ湖湖畔のパラパットを結ぶ高速道(98.5キロ)の建設も来年に着工、19年開通を目指す。
 さらにパラパットなどトバ湖湖岸を結ぶ環状道路や、トバ湖の中央に位置するサモシル島でも島を囲むように環状道路を建設する。湖岸には公園などを造り、風光明媚な観光名所にしたい考え。サモシル島ではリゾート開発も進める計画で、600ヘクタールの敷地にゴルフコースや五つ星ホテル、ホールなども建設する。
 サモシル島と湖岸を結ぶ橋を建設する計画も進めている。サモシルは元々トバ湖と陸でつながっていたが、オランダ植民地時代に最も細い部分を切断され、カルデラ湖に浮かぶサモシル島になった。1980年代には、島と湖岸を結ぶ長さ20メートルの小さな橋がタノ・ポンゴルに造られたが、今後、観光バスやトラックなど大型車両も通行できるような橋を建設する予定だ。(毛利春香)

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