ティト新警察長官を任命 大統領 史上最年少の異例人事

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は13日、中央ジャカルタのイスタナ(大統領宮殿)で、ティト・カルナフィアン新国家警察長官(51)の任命式を開いた。現職長官を6歳下回るティト氏を起用する異例の若返り人事で、史上最年少の警察長官が誕生した。

 ジョコウィ大統領はティト氏に対し、全面的な警察の内部改革を継続して行うよう指示し、「市民に具体的な形で見えるような改革でなければならない」と強調した。
 また警察のサービスを向上し、手続きの簡素化を図るほか、市民から不当に諸料金を徴収することや、事件の捜査に介入するマフィアの撲滅を断行することで市民が公平感を得られるようにすべきだと述べた。
 ティト氏は1987年に警察学校を首席で卒業。バリ島爆弾テロ事件の首謀者襲撃などテロ捜査を担当。国家警察テロ特殊部隊(デンスス88)隊長、パプア州警本部長、警視総監を経て、3月に国家テロ対策委員会(BNPT)委員長に就任した。
 24日に58歳の定年を迎えるバドロディン・ハイティ前長官の後任に6歳年下のティト氏が就任し、100人を超える年長の警察幹部らを率いることになる。
 ティト氏は任命式後、新長官として取り組む主要任務として、警察の組織改革と他の捜査機関との連携強化を掲げた。「警察官の研修や情報技術の利用を促進し、質の向上を図る」と強調。またテロ対策で過激派組織の掃討に注力する姿勢を示した。

■「将来の警察長官」
 任命式には大統領の所属政党・闘争民主党(PDIP)のメガワティ党首や連立与党幹部も出席した。
 同党幹部のジュニマルト・ギルサン氏によると、ティト氏はメガワティ氏の夫、故タウフィック・キマス元国民協議会(MPR)議長と同郷の南スマトラ州パレンバン出身。タウフィック氏は以前、ティト氏について「将来の国家警察長官」と話していたという。
 国家警察長官人事をめぐり、昨年、就任直後のジョコウィ大統領とメガワティ党首ら党幹部との対立が過熱した。同党をはじめとする国会与野党や警察は、メガワティ氏の大統領在職中の警護官を務めたブディ・グナワン氏(56)を推したが、以前から不正蓄財疑惑が指摘されていた同氏に対する批判が噴出。汚職撲滅委員会(KPK)が汚職容疑者に認定して追い詰めたことでKPKと警察の対立が激化した。
 その後、大統領がグナワン氏より年長のバドロディン氏を長官に任命。グナワン氏の汚職捜査は検察・警察に移管された後に中止された。同氏が副長官に就任し次期長官ポストを狙っているとの見方もあったが、ジョコウィ大統領は党主導の人事を退け、グナワン氏を5歳下回るティト氏を起用する異例の若返り人事を断行した。(配島克彦、アリョ・テジョ)

政治 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly