地方に120兆ルピア流入 帰省シーズンで景気上向き

 インドネシア商工会議所(カディン)はレバラン(断食月明け大祭)で地方に流れる資金が120兆ルピアに達すると予測した。国会は先月末の予算審議で初めて地方に充てる地方交付金の予算額が中央省庁向けを上回る修正案を可決しており、ムディック(帰省)は地方重視の政策を後押しするとの見方が強い。
 カディン幹部は、都心から帰省した約2600万人がそれぞれ平均約300万〜400万ルピアを実家に持っていき、さらに海外で働く労働者が貯めたお金を実家へ送金したりするため、地方に多額の資金が流れると試算する。英字紙ジャカルタポストはムディックで地方の経済が上向くことを「ムディコノミクス」と造語を使い表現した。
 各地の行楽地は需要が高まり、値上げして対応した。中部ジャワ州のスマラン動物園はレバランの大型連休中、入場料を2500ルピア値上げし、1人あたり7500ルピアにした。ダルミン・ナスチオン経済調整相は11日、経済調整省でレバランの影響について、物価の上昇が起こることと地方の収入が増えることと語った。物価上昇の影響は限定的としたうえで「昔からムディックは地方景気の上昇につながる傾向がある」と指摘した。
 政府は帰省で地方に流れる資金を、政策の柱である地方の発展につなげたい考え。先月末に行われた国会予算審議で、中央省庁向け予算を16・3兆ルピア削減し767・8兆ルピアに下げた修正案を可決した一方、地方にお金を配分する地方交付金は6兆ルピア増やし776・3兆ルピアとなり、中央省庁よりも地方交付金向けの予算配分が上回った。中央省庁向け予算よりも地方交付金の配分が上回るのは、初めて。
 帰省で流れる資金が地方の景気を上向かせるとの期待が強いが、「インフラが整備されていないため、影響は一時的なものにとどまる」(政府関係者)と早急なインフラ整備が課題と指摘の声が上がる。(佐藤拓也)

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