駅入り口や換気塔建設へ MRT工事 駅構内建設も着々と進む
ジャカルタ特別州の大量高速鉄道(MRT)地下工区では、シールドトンネルだけでなく駅の建設も着々と進む。中央ジャカルタのスナヤン駅周辺では25日に駅舎上部の道路舗装が完了する予定で、地下駅の工事だけでなく地上から駅への入り口や換気塔を作る作業も開始する。スティアブディ駅ではすでにホームの形ができあがっており、2018年12月の完成に向け、地下鉄の姿が少しずつ浮かび上がってきている。
駅構内の本格的な工事は、掘削機が通過してから実施する。南ジャカルタ・スナヤンの「青年の像」から、781メートル先にあるスナヤン駅では、掘削機2機が3月15日に駅構内を通過し終えた。今後はスミットマスビルなどがあるスディルマン通り東側に、地下鉄構内の空気を外気と入れ替える換気塔や換気シャフトのほか、地下駅へ続く入り口2カ所を建設する作業に移る。
地上での工事のためスナヤン駅周辺で約300メートルにわたって、南ジャカルタ・ブロックM方面行きの首都圏専用バス「トランスジャカルタ」の専用レーン1路線と、車やバイクが利用していた5車線の計6車線を、舗装が完了する道路の中央部分に移し、現在東側にあるホテルインドネシア(HI)前ロータリー方面に向けて走る6車線と合わせ、これまでと変わらない計12車線がまとまって並ぶようにする。
車やバスが走るスナヤン駅の駅舎上部は現在も舗装が進んでいる。清水建設ジャカルタオフィスの山下央工場長は「雨が降るとアスファルトの舗装作業ができなくなるため、乾期にもかかわらず時折降る雨の影響を受け、少し遅れることもあるかもしれないが、25日には舗装作業が終わる予定だ」と話した。
一方、HI前ロータリーとスナヤン側から掘り進めているそれぞれの掘削機の最終地点で、駅構内を掘削機が移動しないスティアブディ駅では、最も駅の建設が進んでいる。22日時点で、駅構内ではすでにプラットホームの形ができあがっていた。
ホームには転落や車両との接触を防ぐため路線とプラットホームの間にドアを設ける「プラットホーム・スクリーンドア(PSD)」を設置する。車両は6両編成(1車両20メートル)の運行から始め、利用客に合わせ最大8両編成の車両が運行できるよう、駅ホームは200メートル以上の長さで建設している。
MRT地下工区では現在、HI前ロータリー駅〜ドゥク・アタス駅間で1車線、青年の像〜イストラ駅間で上下2車線がつながっている。(毛利春香、写真も)