今も「心のよりどころ」 設立19年、ひまわり会が総会
インドネシア人の男性と結婚した日本女性が集う「ひまわり会」。来年設立20周年を迎えるひまわり会は14日、南ジャカルタの寿司天国で28回目の総会を開いた。インドネシアでの子育ての悩みから1960年代ごろの経験など、ほかでは得難い交流の場として続いている。
20〜80歳の女性が集うひまわり会は、専業主婦や日系企業、官公庁で働く人など背景はさまざま。設立時の1997年から会を支える治代(はるよ)ハルヤティ・プラボウォさん(74)は67年に来イした。治代さんは、インドネシア国営ラジオ局(RRI)で音楽部長、日本語部長などを務め、ジャカルタ交響楽団の常任指揮者として日本とインドネシアの音楽交流に努めた故プラボウォさんと結婚。治代さんも長年RRIで日本語放送に尽力した。スハルト政権時代にラジオ局で勤めていた経験を今でも鮮明に覚えている。
設立当初からの会員である大塚加奈重さん(50)は「インドネシア人の妻として生活していくことや、子育てで不安だったたとき、ひまわり会に来ると常に前を歩いている先輩方がいた。心のよりどころであり、ライフワーク」と会について語る。
ことし初参加の吉崎未穂さん(31)も初めての子育ての真っ最中で生後6カ月の友菜さんと一緒に参加し、「初めての育児をインドネシアで、という不安があるけれど、この場で先輩方の貴重なお話を伺うことができる」と先輩の話に耳を傾けていた。また、総会では女性に人気の雑貨店「mariami」が出張販売に訪れ、和菓子に人気が集まった。総会の最後には「来年の設立20周年では、みんなで思い出になる会を作り上げたい」と締めくくった。
ひまわり会は、1960年代の賠償留学生制度で日本に留学したインドネシア人男性と結婚した日本の女性たちを中心に97年に設立。会員からの寄稿や体験談、分科会の月次活動報告やインドネシアでの生活情報などを盛り込んだ会報を毎月発行している。
日本の文化などを体験する企画でメンバーの子どもたちが中心の「日本語お楽しみジュニア会」の開催や、夫に先立たれた女性による「コスモス会」、少人数で懇親を深める南ジャカルタ分会、30〜50代中心で女性だけでランチを楽しむ「ムラティ会」などの分会がある。
ひまわり会の問い合わせは、なみえさん(携帯0816.816.110)、めぐみさん(同0811.199.605)、かつらさん(同0812.801.4762)まで。(佐藤拓也、写真も)