中国から25億ドル融資 ハイレベル協議で インフラ事業契約  北京に投資促進センター

 政府は9日、中央ジャカルタのボロブドゥール・ホテルと大統領宮殿(イスタナ)で中国政府と2回目となる「ハイレベル経済協議」を開いた。インドネシアの複数のインフラ案件の融資契約を締結することで合意。インドネシアは中国からの投資環境を整備する方針を強調したほか、中国との間で膨らむ貿易赤字を縮小するため、貿易の窓口を広げることを要請した。 

 インドネシアからはジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領、ダルミン・ナスチオン経済調整相、中国からは外交トップの楊潔篪国務委員(副首相級)などが協議に出席した。インドネシアは中国のアジアインフラ投資銀行(AIIB)から9のインフラ事業で総額25億ドルの融資契約を締結することで合意した。
 インドネシアは中国からの投資を受け入れる体制を整備する。近年中国からインドネシアへの直接投資は急激に増加しており、ことしの第1四半期(1〜3月)は前年同期と比べ4倍以上にまで増え、投資上位国に食い込む勢いを見せている。
 ダルミン調整相は「中国はインドネシアへの関心が非常に高い。しかし現時点では要望に対し、まだまだ少ないと感じる」と中国の投資環境を整備する方針を強調。投資調整庁(BKPM)に中国デスクを設置するほか、北京に投資促進センターを設立することで合意した。
 協議内では、パーム油など資源貿易についても議論。地元メディアによると、中国はインドネシアを含む東南アジア諸国連合(ASEAN)とパーム油や天然ゴムなどの輸入税を協議中で、近々引き下げ、貿易を促進する方針を話し合った。中国におけるパーム油の年間需要量270億ドルに対し、インドネシアの占める輸出量は約120億ドルに達する重要貿易国。
 また、インドネシア側は中国との間で増加している貿易赤字を縮小したい考えで、ダルミン調整相は「北京に投資促進センターを設置し、(中国からの)投資を歓迎する一方で、インドネシア製品の貿易自由化を求めた」と貿易の窓口を広げることを要請した。
 これに対し、楊国務委員は「中国でインドネシアの製品が使えるように整備したい」と要請を受け入れる方針を示した。同氏はジャカルタ〜バンドン間の高速鉄道についても触れ、「さらなる投資の準備ができている」と両国間の協業事業を加速させる姿勢を示した。
 中国からの総額25億ドルの融資案件の詳細は、西ジャワ州バンドン県〜スバン県をつなぐ高速道路の建設▽南スラウェシ州ゴワ県ジェネラタダムの建設▽リアウ州ロカン・ヒリル県内のダム建設▽アチェ州ロクスコン付近のダム建設▽ゴロンタロ州ボネフルダムの建設▽橋の建設や修復事業▽多目的ダムの建設――など。(佐藤拓也)

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