メラプティ橋が開通 1140メートル東部最長 アンボンの新シンボル

 マルク州アンボン島で4日、島の北側と南側を結ぶメラプティ橋(全長1140メートル)が開通した。完成まで約5年を要した東部インドネシア最長の橋に、利便性向上や観光振興への期待がかかる。
 開通式典に出席したジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は、メラプティ橋がアンボンの観光の新たな象徴になることに期待し、「アンボンの美しさ、特にアンボン湾をここに来た人皆が楽しめるだろう」と話した。
 マルク州のサイド・アサガフ知事は橋を「平和の象徴」と呼び、宗教紛争を乗り越えた同州の新たなシンボルの誕生を祝った。
 メラプティ橋は、アンボン湾に架かる全長1140メートルで、北側のシリマウ郡ポカ村と南側のトゥルック・アンボン郡ガララ村を結ぶ片側2車線の道路橋。橋の中央部分約300メートルがケーブルを張った斜張橋と呼ばれる構造になっており、100年持つと言われている。
 橋の北側にはパティムラ空港やパティムラ大学、南側には州庁舎など政府機関やマルク・シティモールなど市街地、住宅地が広がり、利便性向上が期待されている。これまで対岸を渡るには、フェリーか陸路に限られていた。南側の市内から35キロ離れた対岸のパティムラ空港までは1時間かかっていたが、橋の開通により25分に短縮されるという。
 工事は2011年7月に始まり、国家予算7792億ルピアを投じた。当初は14年に完成予定だったが、建材の輸送に時間がかかるなどして工事が度々遅れた。最近では、今年1月にマルク州沖でマグニチュード(M)5・2の地震が発生。バスキ・ハディムルジョ公共事業・国民住宅相によると、地震の影響で水平方向に9センチずれたが、30センチまでのずれは許容範囲だとしている。3月には8トントラック44台による載荷テストを問題なく終えたという。計352トンもの載荷試験は国内初といい、強い構造を誇る。
 ジョコウィ大統領は式典で「港や高速、橋などインフラ建設に集中する」と話し、国際競争に勝つためには規制撤廃と同時に核となるインフラ開発が重要だと訴えた。東部インドネシアではインフラ開発が進んでおり、大統領はマルク州、西パプア州、北マルク州を視察し、6日にジャカルタに戻る予定。(木村綾)

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