主要財閥は減収減益 15年決算 アストラ、サリムなど

 大手企業の2015年決算が一巡し、アストラ・グループやサリム・グループ、リッポー・グループなど主要財閥は減収減益だった。資源価格の下落でパーム、鉱業などの事業で減損損失を出したほか、消費の低迷で自動車、不動産部門などの収益を伸ばせなかった。
 経済紙ビスニス・インドネシアが主要企業の業績をまとめたところによると、アストラの黒字額は14兆ルピアで14年と比べ24%減少した。サリムは8.2兆ルピアで同25%減、リッポーは3.1兆ルピアで同34%減と、常に1兆ルピア以上の黒字を出す財閥の多くが減益だった。
 アストラは現在のビジネスを支える自動車、金融、重機・鉱業の主要3部門が全て減益となった。中でも重機・鉱業部門では5兆ルピアの減損を計上、同部門の黒字額が14年比で42%まで減らして2.8兆ルピアと、減益の主因となった。自動車部門も消費が伸び悩み、黒字額は14年比で14%減の7.5兆ルピア。
 大手企業の中で増益が目立ったのはチプトラ・ジャヤグループ、ジャルム・グループ、サラトガ・グループだった。サラトガは一部株を取得するアダロ・エネルギーが資源価格の下落で減損を出すも、全体の純利益が前年比48%増。同社が投資するムルデカ・コパー・ゴールド社が昨年インドネシア証券取引所(BEI)に上場したことが寄与した。
 財閥のビジネスに詳しい投資顧問会社サラン・マンディリのハンス・アナリストは「資源ビジネスの回復はまだ先になる見込みが高い。(中銀が3カ月連続で実施した)政策金利の利下げが自動車や不動産向けの購買意欲を高めるだろう」とし、資源以外のビジネスで昨年よりも業況は上向くとみている。(佐藤拓也)

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