空手で麻薬撲滅へ 松崎沢宣さん広報大使に
西ジャワ州バンドンで空手道場「澤道場」を運営する空真流の松崎沢宣さん(38)が14日、退役警察麻薬撲滅委員会(AP2HNI)の広報大使に就任した。今後、青少年が薬物に手を出さないよう、空手を通じて呼びかけていく。
AP2HNIは、退役した警察官で構成し麻薬撲滅を目指す民間団体で、2013年に元国家麻薬撲滅委員長のゴリス・メレさん(元警察中将)が立ち上げ、委員長を務めている。
広報大使任命式は南ジャカルタのムナラ・グローバルで行われ、ゴリス委員長ほか、インドラディ・タノスさん(元警察少将)、ジェニー・マンダギさん(元警察准将)ら12人が出席した。
ゴリス委員長は「日本の空手道の精神と規律を通じてインドネシアの麻薬撲滅に尽力してほしい」とあいさつした。
松崎さんは、全日本空手道選手権で5連覇を達成するという前人未到の記録を持つ。空手道を通じ国家や社会の指導者を育成するため、陸軍戦略予備軍と陸軍特殊部隊から選ばれた特別訓練選手を指導。一方、親をなくした子どもたちにも道場で空手を教えている。20年の東京五輪で競技種目となる可能性のある空手で、インドネシア人選手のメダリストの輩出を目標にしている。
警察と軍の間に立って活動している松崎さんは「(薬物を使用する子どもたちに)親や教師が注意できない現状は深刻だが、空手の先生や仲間ならできる」と言い、「空手に集中している子は(麻薬に)手を出すこと自体考えにくい」と麻薬撲滅に取り組む。(市田博嗣、写真も)