皆で最高の舞台に 劇団en塾 東京・広島で来月公演
インドネシア人学生による日本語ミュージカル劇団「en塾(エンジュク)」のオリジナル作品「時代検証アプリ192」が来月、広島と東京で上演される。日本公演を前に6日、東ジャカルタのホールでグランドリハーサルが行われ、劇団員の家族や4月に入団する新劇団員、関係者ら約100人が本番さながらの舞台に見入った。
惑星バリドゥから日本の江戸時代に送り込まれた、感情を持たない人型アプリ「コード192」が名前を「伊國」と変え人々と交流していくなかで、次第に心を動かされていくストーリー。脚本や劇中歌など全てがオリジナルで、2014年に初演された。
桜前線のように日本列島を北上しながら毎年春に日本公演をする「桜前線プロジェクト」で、昨年計1700人を動員した九州公演に続き、広島と東京で上演する。3年目となる今年は公演日数を3日に増やした。劇団員50人が間もなく日本にたつ。
en塾は日本語を学ぶインドネシア人大学生を中心とした劇団で、劇団員は学業と両立しながら日々活動している。4月は卒団・入団の季節。訪日メンバー50人のうち約20人が卒団を迎える。
ジャカルタ国立大4年のルトゥフィさん(21)にとっても次の日本公演が最後の舞台。「緊張しているけれど、最後だから頑張らなくちゃ。en塾の皆とお客さんと最高の公演を作りたい」と意気込む。
先月末、応募者260人の中から新劇団員79人が選ばれた。この日、入団前に先輩のステージを見学したサンプルナ大1年のメイラニさん(17)は、大学構内で披露されたen塾のパフォーマンスを観て、他にはないユニークな演出のとりこになったという。「素晴らしい。入団が待ちきれない」と興奮気味に話した。
日本公演のチケットは販売中。2日が広島市で、午後4時開演。5、6日の両日が東京都江戸川区で、午後6時半開演。一般2千円、学生(中学生以上)1500円、小学生千円。詳細は同劇団ウェブサイト(enjukuindonesia.com)で。(木村綾、写真も)