来月7日にも就任 地元紙「市民の勝利」 首都知事選当確のジョコウィ氏 人気利用の政党批判も

 20日実施されたジャカルタ特別州知事選挙で当選が確定的になったジョコ・ウィドド(ジョコウィ)中部ジャワ州スラカルタ(ソロ)市長は、来月7日にも就任する見込みとなった。地元メディアでは「市民の勝利」とたたえる報道が目立つ一方、2014年に迫った大統領選挙、総選挙の前哨戦にもなったとして、ジョコウィ人気を利用しようとする政党の動きをけん制する声が早くも出ている。
 ジョコウィ氏の当選は、総選挙委員会ジャカルタ特別州支部が28、29日、本会議で集計結果を承認した後、3日間のうちにファウジ・ボウォ陣営が選挙違反などでジョコウィ陣営を憲法裁判所に提訴し、選挙結果の無効を訴えなければ確定する。
 有力紙コンパスは、評論家スウィディ・トノ氏の論文を掲載。「スハルト政権崩壊直後に実施された1999年総選挙で、メガワティ氏の闘争民主党(PDIP)が圧勝した当時の熱狂が再現された」と指摘。しかし、同党が腐敗するに従って支持者も減ったが、今回、ジャカルタ市民は「政党ではなく、人物を的確に評価した」とし、有権者の批判的な姿勢がジョコウィ氏に勝利をもたらしたと分析した。
 大衆紙インド・ポスは「政党はもう信用されていない」と大きな見出しを掲げ、ジャカルタ州議会の議席数をめぐる政治評論家アルビ・サニット氏の分析を紹介。
 ジョコウィ陣営のPDIP11、グリンドラ党6の計17議席が、ファウジ陣営の民主党32、福祉正義党(PKS)18などの議席を保有する主要政党の大連合を負かしたことは、国政選挙での大政党敗北の前兆とも言えると指摘した。
 民主党系のジュルナル・ナショナル紙は1面トップに「ジョコウィの公約」一覧表を掲載。都市整備、洪水対策、運輸、保健、教育、経済、文化、行政の各分野の公約を列挙し、「カキリマ(行商人)用のショッピングモール建設」などの実現を迫った。
 ジャカルタ州知事選を国政選挙に結び付ける論調では、ジョコウィ氏の選対として選挙戦を戦ったPDIP、グリンドラ党の両党は、ジョコウィ氏の勝利でイメージアップにつながり、ジョコウィ人気を利用する傾向があるとの指摘が目立つ。
 大統領選出馬に意欲を見せるグリンドラ党のプラボウォ・スビヤント氏は、これまでジョコウィ氏の写真を使ったテレビCMを放映。華人のバスキ氏をジョコウィ氏のペアにすることで、華人が標的になった1998年の5月暴動の黒幕との汚名返上を図ったと批判されてきたが、PDIPのプラモノ・アヌン幹事長は21日、「政党がジョコウィ氏の勝利を利用することはない」と強調した。

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