ニッポンデー初開催 マカッサルに4000人超 日イ交流の「新しい息吹」
日本文化紹介の大型イベント「ニッポンデー」が20、21の両日、南スラウェシ州マカッサル市の州文化観光局内の施設「MULO」で初めて開催された。運営委員会はハサヌディン大学文学部日本語学科などインドネシア側とマカッサル在住の邦人が半数ずつで構成。2日間で4千人以上が来場し、東部インドネシア最大の日イ文化交流イベントとなった。
テーマは「南スラウェシと日本の協力による新しい息吹」。主催は、ハサヌディン大学文学部日本語学科の学生、マカッサルの日本文化愛好団体、州内で活動中の国際協力機構(JICA)のボランティア・専門家、在マカッサル領事事務所。
会場には10を超えるブースが並んだ。日本のキーコーヒーが出資し、1970年代からコーヒー農園、コーヒー集荷・輸出などを手掛けるトアルコ・トラジャや旅行会社のエイチ・アイ・エス(HIS)などのスポンサーブースのほか、JICAは環境や保健問題などに焦点を当てた四つの体験型ブースを展開した。
メーンステージでは2日間にわたり、さまざまなパフォーマンスが披露された。合唱グループのマカッサル・ラグラグ会のメンバーが歌声を響かせ、地元小学校の子どもたちが楽器演奏と歌、演劇大会、コスプレパレード、4コマ漫画コンテストなどで盛り上がった。2日目は、インドネシア人学生による日本語ミュージカル劇団「en塾(エンジュク)」が登場し、初めてマカッサルでミニ公演を行った。
運営委員長でハサヌディン大学文学部非常勤講師のハリサル・ロロさんは「マカッサルには日本文化に興味のある人がたくさんいる。日本との協力関係を本格化させたい。ここが出発点」と強調する。これまで日本関連イベントが開かれることもあったが、各団体が個別に手掛けてきた。今回は各団体が一同に集まり、東部インドネシア最大の日イ交流イベントを目指した。
まだ在留邦人や日系企業が少ないマカッサル。運営委員で在マカッサル領事事務所長の谷昌紀さんは交流の新たなモデルを目指したいと話す。運営委員会では日本人と地元の人々が協力し、一つのイベントを作り上げる過程に重きを置いた。
「来年は趣向を変えて開催したい。地元の日本好きの人たちをターゲットにするだけでなく、日本の四国地方などと協力し、観光展や物産展といったビジネス要素も取り入れられれば」と抱負を語った。(山本康行、写真も)