外資開放へ「ビッグバン」 ネガティブリスト改正で政府試算 直接投資2018年に800兆ルピア 

 政府が11日に発表した外資企業の出資比率を定めた投資ネガティブリストの改正。海外メディアが外資開放政策の「ビッグバン」と表現し注目を集めるなか、政府は2018年には直接投資が800兆ルピアに達すると試算、関連省庁や業界団体が準備を進めている。 

 トマス・レンボン商業相はネガティブリストの改正について、地元メディアに「自由貿易圏に加盟する準備だ」と語った。投資調整庁(BKPM)によると2015年のインドネシアへの直接投資額は545.4兆ルピア。フランキー・シバラニBKPM長官は今回の改正により、年間100兆ルピアのペースで投資が増え、18年には800兆ルピアに達する試算を出した。
 電子商取引(EC)、小売り、保健、運輸など多くの業種で緩和方針が示された。なかでも映画産業など一部の業種は外資出資比率を100%認める方針。フランキー長官は「(映画産業は)すでに複数の企業が投資の準備段階だ」と明かした。創造経済庁のトリアワン・ムナフ長官によると韓国企業がすでに手を挙げているという。
 改正には、地方への投資増加や観光客の誘致を促す目的がある。100%の出資が認められるレストラン業について、ホテル・レストラン協会(PHRI)は「外資の参入は地元のレストランにとって脅威」(同協会シプリアヌス・エクゼクティブ・ディレクター)と改正を疑問視する。BKPMの統計では、ホテル・レストラン業は3兆ルピア(257件)と国内からの直接投資における主要業界。「国内のレストラン業界はグローバル化に対応しなければならない」と警鐘を鳴らす。
 テニスやプールなどスポーツ施設関連も100%認められる。18年のアジア大会の準備を予定通り進めるため、外資の力を借りる。原料のほとんどを輸入に頼る製薬業も100%開放し、原料の現地生産を目指す。
 冷蔵・保管業の外資100%開放について、スシ・プジアストゥティ海洋水産相は「国内の漁業関係者にとって朗報だ」と賛意を示した。以前のネガティブリストで同分野は、パプアなど一部で67%まで認めていたが、インフラ整備は思うように進んでいない。
 同相は「(ネガティブリストが公表された後)デンマークやノルウェーなど12カ国が関心を示している。東部地域はインフラがぜい弱だが、魚介類はたくさんいる」と述べ、地方からでも輸出、輸入が容易になると期待を込める。「まだ発表されたばかりで施行されていない。今後半年で影響がでてくるだろう」と語った。(佐藤拓也)

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