世界景気悪化を警戒 財務相 中国減速・原油安注視 アピンド会長 追加金利下げを
世界経済の激変が、国内にどこまで波及するかを警戒する声が高まってきた。バンバン・ブロジョヌゴロ財務相は、ことし最大の懸念は中国経済の減速と原油価格の下落だとし、その影響を注視すると表明、ダルミン・ナスチオン経済調整相も、昨年、4年ぶりに黒字に転換した貿易収支が、ことしは再び赤字となる可能性が大きいと注意を促した。経済界首脳からは、景気低迷脱却のため、中銀政策金利(BIレート)の追加引き下げを求める動きが出ている。
バンバン財務相は18日付の地元英字紙とのインタビューで、中国の成長鈍化は、世界需要・自国の輸出に打撃を与えるとし、これまで原材料に依存してきた対中輸出を最終製品、消費財中心に切り替えなければならないと述べた。同時に中国からの投資拡大に期待を表明、これまで契約しても実行までに至らない比率が高かったとし、中国の投資態度の変更を求めた。
ナスチオン経済調整相は15日、15年の貿易収支が75億ドル強の4年ぶりの黒字になったものの、12月単月では2.35億ドルの赤字だったと指摘、ことしは年間を通じて貿易収支が赤字となる可能性が大きいと述べた。
同相は、先進国からの需要減退で輸出は引き続き低い水準に止まるのに対し、輸入はインフラ投資の拡大などで増加することを理由に挙げた。
一方、インドネシア経営者協会(アピンド)のハリヤディ会長は15日、(14日の)BIレート引き下げや爆破テロ事件がルピア相場や株価に影響しなかったのは、「突然のショックにも経済が耐えられることを示した」とし、BIレートをさらに0.5%引き下げ6.75%に、リスクを考慮しても0.25%下げの7.0%にする余地があると述べ、景気刺激に向けた一段の金融緩和を求めた。(西川幸男)