歳出・歳入とも未達　税収は過去最高　２０１５年財政収支　

　財務省は３日、２０１５年の財政収支を公表した。歳出、歳入ともに当初修正予算を下回ったが、徴税に力を入れ、歳入の税収項目は過去最高額。歳出は省庁支出など中央政府支出の増加が目立った。

　バンバン・ブロジョヌゴロ財務相は財政収支の結果について、地元メディアに資源価格の下落や中国経済の低迷などで世界経済が下向くなか、最善の結果だったと強調した。２０１５年の財政赤字は国内総生産比で２.８％と、修正予算目標の１.９％は達成できなかったが、３％以内に抑えた。
　バンバン財務相は「税収を増やすことに焦点を当てた」と財政収支を振り返った。経済活動が低迷したことで、製造業や鉱業などの税収は減少したが、徴税に力を入れたことで、非石油ガスの所得税は５４７兆５千億ルピアと、前年比１９％増えた。非石油ガスの税収は前年比１２％増え、１００５兆７千億ルピアだった。
　税外収入は予算の９３.８％で未達成だった。資源価格の下落による天然資源収入の減少が影響した。
　歳出は当初修正予算（１９８４兆ルピア）を１７４兆千億ルピア下回り、１８１０兆ルピアだった。目標ベースに対し９１.２％で、目標に対する達成率は２０１０年以来最低だった。
　一方で、省庁の支出額は予算に対し、９１.１％の７２４兆ルピアだった。目標こそ達成しなかったが、前年の省庁支出（５７７兆２千億ルピア）を金額ベースで１４７兆千億ルピア上回った。上期は予算支出が進まなかったが、第３四半期以降に支出が加速した。
　ジョコ・ウィドド（通称ジョコウィ）大統領は「目標には達成できなかったが、歳入、歳出とも結果的にかなり増えた。ことしは昨年よりさらに良い結果になる」と語った。　（佐藤拓也）