ランプンに工業団地 3地域開発 スマトラ高速道に隣接

 スマトラ島南端のランプン州は3地域を重点的に開発する。建設中のスマトラ島縦断高速道路に隣接した場所を開発地域として選び、物流面の競争力をつける。工業団地を積極的に開発し、現在の主要産業である農林水産業以外の育成に力を入れる。

 ランプン州のリド・フィカルド知事は22日、国営アンタラ通信に建設計画の詳細を明かした。同州タンガムス県の海岸沿いと、南ランプン県内に工業団地をそれぞれ建設する。
 またメスジ県には、ランプン州が中国企業と組み、11月に着工した700メガワット規模の石炭火力発電所があり、これに隣接した場所にも工業団地を造成する。同工業団地は港湾ともつなぐことで物流面で競争力をつける。リド知事は「3地域の開発計画は(建設中の)スマトラ島縦断高速道路を意識した」と述べ、高速道路の開発と連携させることで地の利を生かす計画をアピールする。
 スマトラ島縦断高速道路は中央政府主導のもと、ランプン州バカウヘニ港からアチェ州までをつなぐ、スマトラ島の「大動脈」となる計画。土地収用や資金面の問題で着工が遅れていたが、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領がことし5月にバカウヘニ港で起工式を開き、建設への機運が高まった。
 ランプン州は農林水産が盛んで、ことし第3四半期の産業別州内総生産では農林水産業の割合が3割以上を占めている。経済成長率は前年同期比5.18%で、スマトラ圏内ではリアウ諸島州に次ぐ2番目の成長率。スマトラ全体の3.04%よりも高かった。
 輸送・倉庫業は前年同期と比べ16%以上の成長率で、宿泊施設・飲食業も9.35%成長した。リド知事はインフラを整備して観光業も柱にしたい考えだ。
 また、ランプン州にはインドネシア全体の約10%にあたる2867メガワットの地熱埋蔵量があると言われている。「停電リスクがあり、電力不足が懸念」(同州関係者)として開発を急ぎたい考え。
 ランプン州はスマトラ島内で最もジャワ島の近くに位置する州。1960年代から浮上していたジャワ島とスマトラ島間をつなぐスンダ海峡大橋の建設計画は、日本政府も円借款案件として調査した時期もあったが、ジョコウィ政権の海洋国家構想の方針転換で凍結。その代わりに同区間の船の往来を活発化させている。(佐藤拓也)

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